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「今日は俺ん家泊まってけよ」
「んー‥‥じゃあ、そーするわ。」
未だに自分の気持ちを伝えていない。
でもどこか内心諦めていた。
その気持ちを口にしたとしても恋愛が成就するなんて思わなかったから。
だからどこか諦めてしまっていた方がなんだか気がマシだった。
だけど火神のアメリカ流のスキンシップに度々悩まされる。
本人は何も気にしていないのも分かっている。
だけどどうしても自分が火神を意識している分その都度、その都度敏感になってしまう。
火神に誘われて泊まりにいくことになったのはこの時が初めてだった。
相変わらずのスキンシップは止まらずテレビを見る時も食事を取る時もあまつさえ睡眠を取る時も。
それから週に2回ペースでそれが続く。
そろそろ自制が効かなくなりそうだと思っていた矢先。
今日も火神の家に泊まることになった
「青峰~。」
「ん?」
「青峰ってどういう奴が好きなんだ?」
「‥‥‥」
分かっていた。
俺の気持ちが火神に気付かれていないのも。
分かっていた、
火神が俺のことを意識していないのも
分かっていた、
俺がどれほどお前に対しての気持ちを
抑えていることを知らないのも
分かっていた筈なのにその言葉に何かの糸が俺の中でプツンと切れた。
「お前マジでいい加減にしろよ」
「‥‥は?何だよ急、に‥‥‥んん!?」
至近距離に居た火神の胸ぐらを掴んで無理矢理唇に噛みつく様にキスをした。
目を見開いている火神をじっと見据えていれば胸を押し返され瞬間、痛みが頬に走った。
「な、にっ‥すんだよ!」
「いってぇなぁ‥‥」
「いや、お前が急にそんなことするから‥‥‥って、やめろ‥って‥‥‥!?」
無性に腹が立ち今度は両手を塞ぎ壁に追いやり唇を塞ぐ。
息が苦しいのか表情が歪んでいる。
気にせず口の中に舌を押し込めば今度はガリッと舌に痛みが走った。
それと同時的に今度は俺も火神の頬を殴ってしまう。
それからそれがスタートを切ったのかお互い罵声を飛ばしながら傷つけあった。
取っ組み合いになりたまたま躓いた火神にマウントを取る。
上から見下ろした状態で火神の唇にまた食いつく。
どんどんと背中を叩かれるものの、今度は舌を噛まれることもなく口の中に侵入されることを許した。
なんだか急に大人しくなってしまった火神を見れば鋭い視線が俺をじっと見据えていた。
やってしまった。
そう思えば火神の上から退き何も言わず家を出た。
その後追ってくることなくその日は傷だらけで自宅に帰った。
それから数日後、誠凛は陽泉との試合に無事に勝ち進み今度は海常高校との試合を控えているらしい。
其の間俺達は顔を合わすどころか連絡すら取っていなかった。
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