アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
好きな顔
-
暗闇の中で、蠢く。
その物体は鏡の前で、グチャグチャと動き次々と変形する。老人に、若い女に、子どもに、そして、最後は真白に。
「……やっぱり、コレ、すき…」
真白に似た何かは、満足した様に妖艶に微笑むと、青く美しく輝き始めた。
「プラーヴァシ様」
牧師の様な服に身を包んだ初老の男が、背後から真白に似た者に話しかけた。
「どうか、あまり外へは出歩きませぬよう…」
「? なんで?」
「外は危険が多いのです…」
「? きけん? しぬの?」
「ええ、そうですよ…時期が来るまで、どうか我慢なさってください…」
そういうと初老の男は暗闇の部屋から出て行った。ガチャンという音が部屋に響く。どうやら鍵をかけていったようだった。真白に似た何かは、その音に首を傾げながら再び鏡を眺める。
「…つまんない」
鏡を眺めながら、無表情に呟く。そっと鏡に映る真白の顔を撫でながら、薄く微笑んだ。
…この子に会いたい。この子、面白かった。
そう思った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
90 / 255