アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
愛されたがり。
-
確かに、そうだった。
宮下の事がただ好きだった。そう、ただ好きだった筈なのに。
一緒にいた俺ではなく草薙に恋い焦がれ、戸惑う姿に独占欲が暴走した。
やめろ、と頭の中では理性が叫んだ。
だけど自分のものにならないのなら、いっその事初めてだけでも奪って俺という存在を刻み付けたかった。
一回やってしまえば、もう元には戻れない。
とことん嫌な奴になるしかなくて。
何故素直に好きだと言えなかったのか自分でも分からなかった。真摯に草薙のように好意をぶつけられたら良かったのに。
自分が愛されたくて一方的だった俺は、もう愛されてはいけないと思いながらも久野に焦がれた。
「.....貴方が天邪鬼で、不器用なのが分かって、許されない事をしたと分かっていても愛おしくなってしまったんです。
だから距離を置こうとしたのに、天邪鬼な貴方が素直になってくれたから俺も素直ににるしかないですよね」
グッと引き寄せられ、俺より少し低めの身長な久野に抱きしめられる。
「柳瀬先輩の事を理解できるのは俺だけですから。どんなに天邪鬼でも可愛がって素直にさせてあげますからね。良い子に俺に愛されて下さい」
ポンポン、優しい手で撫でられて柄にもなく安心した。
もう何も言えなくて頷くしか出来なかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
89 / 103