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君じゃなきゃ嫌だ
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いつかの空き教室に連れて行かれて、手が離された。
それすらも、寂しい。
そのまま、雀の手を追いかけて握った。
「ちょっと...伊吹」
咎められるように名前を呼ばれるけど、なんで。
だって、俺は。俺は。
「すき。雀、好きだ、好き」
そう、多分見つけて貰えた時からきっと。
雀は目を見開いて、困ったように笑った。
「なんで、そんなに泣きそうなの...」
目を優しく擦られる。
その手に自分の手を重ねて頰にこすりつけた。
これで、両手とも握った状態になった。
でも、まだ足りない。
俺、自分で思ってたより甘えたな人間だ。
今すぐ雀に抱きしめて欲しい。
優しく頭を撫でて欲しい。
「伊吹....。いいの?」
「雀は、嫌なのか」
半泣きで聞いた。
そしたら、温かいものに包まれて。
あの時の温もりだって。分かった。
「俺も好きだよ。だけどね、伊吹は俺にあの時優しくされて勘違いしちゃってるかもしれない」
「そんなことない!!」
大声でヒステリックに叫んだ。
「雀じゃなきゃ...!雀じゃなきゃ嫌だ!」
だから早く甘やかして。
早く。早く。
その瞬間、キスをされた。
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