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まだ、何かあるのかと不服そうな表情をした。
今度はウリエルに聞こえない溜め息を溢す。
「…もう、行きなよ」
「えぇ」
それ以上の注意をしたって聞いてくれないのをサキエルは知っていた。
親玉が誰かを把握すれば、彼の性格からして部下に下す命令は『悪魔達だけを全て全滅しなさい』となるだろう。
魔界帝国エリート組の息の根まで止めろと無茶な命令は下さない。
ウリエル自身も彼方の脅威を知っているからだ。どんなに力を持ち合わせている大天使だろうが、彼等からすれば、人間と同じ。
面白味があれば、玩具の一種として物珍しい品でしか過ぎない。
「はぁぁ」
悪魔達が問題じゃない。
サキエルは親玉である魔界貴族に注意を払って欲しいと切に願った。
自分達とは違う戦闘スタイルのウリエルを初めて瞳に入れる事により、興味を示された場合を考えた。
「魔界貴族ティーベルに並ぶ腕の持ち主。魔王の右腕…」
魔界貴族最高峰ティーベルと同等の立場であるのは、同じ貴族出身じゃなきゃ成せない。
況してや、魔王の横に並べる存在など指で数えられるくらいだ。サキエルの中で思い付くのは数名である。
「僕は不安でならないよ。ウリエル…」
彼方は七大天使が七人存在するのは知っていても、ウリエルを一度たりと拝んだ事無い人。
その輝かしいばかりのオーラと美しさが禍を招かなければサキエルにとっては嬉しい事。
しかし、逆を考えたら不安が大き過ぎる。
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