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2ー5
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ー下界
空は稲光を放つ。
ゴロゴロと暗雲の中を凄まじい数の雷が滞っている。
男はまた、にたりと嗤う。
「遊戯にはピッタリな雨だ…」
そう呟いた瞬間にザァザアと音を変えていった。
「ー…お出ましか」
暗雲の隙間から白き羽根を広げた兵士天使を視界に捉えた。
兵士天使は、直ぐ様に分かれていく。
今回の指示を出した者は、頭の回転が早いらしい。隙すらない的確な指示をしている。
散らばった下級悪魔を一匹残らず死滅させる手段だろうか、兵士天使達が一気に急降下していった。
「ミカエル…ラファエルでもない」
これまで兵士天使に指示を出していたのは大方が七大天使の長を努めているミカエルか、牙を剥き出しのラファエルぐらい。
後は、サキエルぐらいだと頭で反芻する。
だとしたら、自分がまだ逢っていない大天使だと把握出来た。
何故なら、男は既にミカエル達の戦闘方法を見切っていたからだ。
「貴方が…下級悪魔達に指示を出していたんですか…」
「…」
ひらひらと白き羽根が辺りを包み込む。柔らかなソプラノボイス、雨に打たれながらも煌めく金髪。
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