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7ー16
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だけど、ゼウダー卿の場合は違う。
上手く説明は難しいけど…。
「ラファエルを捕らえたとなれば、殺されますよ?」
「ふふっ、面白い…」
「それもまた酔狂だとは思わぬか。彼の大切な存在を捕らえれば、嫌でも姿を表す。我の前にな…」
随分と悪趣味な。
「断ってもいいぞ?その代わり、臭い匂いを一生嗅ぐ羽目になるがな…」
この臭いと一生ってのも考え様で。 大人しく天神界に戻り、ウリエルに報告して態々危険な事に巻き込みたくない。
しかしながら、今の僕達では不利なのは明確。
ゼウダー卿の術に対抗出来る相手は少なくともウリエルだけ。
さぁ…。
どうする?
――…サキエル
「ぼ、僕は大丈夫だから……行って下さい…伝えて下さい。けど……来てはいけないと……」
思惟していると、ラファエルが口を開いた。
例え、ラファエルが『来るな』と言っても必ず彼は『行く』。
大切な弟を見捨てたりはしない。寧ろ、報告しなかった僕達が咎められるだろう。
何だ…。
最初から応えは決まっているじゃないか。
ゼウダー卿の言う通りに動くしかないと…。
「ラファエル…君の気持ちを尊重するよ」
「サキエル……さん」
「話は纏まったらしいな」
「えぇ…」
その方法しか残さなかった貴方の勝ちという事でしょう?
妖しく嗤う表情は楽しそうだ…。
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