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梅村の日常 2
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一人部屋に閉じこもる。
学校には、先生に熱があるから欠席するという連絡を入れた。
久しぶりの仮病だ。
学校をサボるのは、いつぶりだったかな。
小学生の頃だったから、大分前だな。
時計の音しか聞こえない室内で、俺はそんなことを考えて過ごしていた。
季節はもうセツと一緒に水浴びをしたあの時とは大分違っていて、冬だ。俺の部屋はひんやりと冷えていて、それがさらに寂しさを倍増させた。
誰もいない。
少し前だったら、セツと一緒にゲームをした。
君の作るご飯は美味しかった。君としたあの夜も、気持ちが良かった。
まあ、その後怒られたけど。
セツは綺麗だ。
俺の歪んだ愛情を受け止めてくれる。そして、それが正しくないということもこの前教えてくれた。
今俺が座っているベッドに、君がいたんだ。
俺は、そのぬくもりを探してベッドに横たわる。
もう選択をしてしまったシーツからは君の匂いなんてなくて。
悲しくなった。
これから俺は一人ぼっち。
*
いつの間に、寝てしまったのだろうか。時計を見るよりも先に手元にあるスマホで時刻を確認しようとした。
「え?」
そこに表示されていたのは、着信記録だった。しかもその相手は河崎だった。
「河崎?」
俺は不思議に思いながらも、河崎に電話をかけた。今は時刻20時。丁度部活動も終わっている頃だろう。
何度もなる機械音に、俺はドキドキしていた。
「――はい、もしもし。」
河崎が電話に出た。俺はおどおどして返答する。
「あ、えっと、俺は梅村。」
「ああ、そんなん画面見てりゃ分かる。」
電話越しの声は、とても不機嫌そうだった。
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