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「んっ……はっ、はぁっ、…んぁ…は…。」
くらんとして、頭がふわふわしている。
周りがぼやけて見えて、どこを歩いているのか、地にちゃんと足を付けて歩けているのかさえもわからない。
ただ、自分の荒い息だけを聞いていた。
「兄貴、これ呑んで。」
そう言って目の前に出されたのは、一粒の白い錠剤。
「なっ…なんで…。」
もう何度も何度も呑まされたそれを目の前に出され、背筋が凍るようだった。
「あんたこれ大好きだもんな。一人で呑める?兄ちゃん。」
口調とは裏腹に底冷えするような冷たい目つき。
震える手で錠剤を受け取り、口に含む。
弟が手渡したペットボトルの水でそれを流し込んだ。
「ちゃんと呑んだ?」
「呑んだ、から!!早く帰ろっ、早くっ!!」
ぐいぐい弟の腕を引っ張るがその場を動こうとする気配がない。
「口開けて?」
一刻も早くここを立ち去りたくて言われた通り口を開ける。
「舌持ち上げて。ちゃんと俺に見えるように。……じゃあ行こうか。」
この一連の動作は、俺がちゃんと薬を呑んだかの確認作業。
そして呑まされたこの薬は、媚薬。
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