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バッグ、日本酒、焼酎。とにかく酒、酒、酒。
どこに何をしに行って来たのやら。
「これ兄貴の分だって。」
後部座席の荷物を全て下ろして、酒を冷蔵庫に収めて玄関先に戻ると弟から昼間買ったお菓子の残りを手渡された。
「別にいいのに。お前らで分けろよ。お前、これ好きだろ?」
「だめー!ゆーと食べて!」
ぷぅ、とわざとらしく建太くんが頬を膨らませた。
「いいから食え。さっき母親にも優子さんにも配ってたからこれはあんたの分。」
「わかったよ。ありがと、建太くん。」
弟に諭され、お礼を言うと可愛い笑顔を見せてくれた。
建太くんから視線を外して弟に向き直ると弟が摘まんでいるお菓子が俺の目の前に突き出される。
「ん。」
食え、っていう催促。
「いいよ…自分で食える。」
「いいから。ほら。」
ずいっと口に近づけられたから反射的に薄く口が開いて中に押し込まれた。
せっかく冷やしておいたチョコレートが気温のせいですでに溶けかけていて、弟が摘まんでいた部分はドロドロに溶けていた。
建太くんが傍にしゃがんでいたお母さんに「二人は仲がいいね」って言っているのを聞いて気恥ずかしかった。
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