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7ページ目 21 弟side
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ガキ一人ここに残しておくわけにはいかない。
再三寝るよう促し、ようやく寝ついた頃には午後10時を回ってしまっていた。
「けーたも一緒に寝る!!じゃなきゃおれも寝ない!!」とぐずり出してどうしようかと思ったけれどこれでようやく兄貴を迎えに行ける。
キッチンに行くと、悲惨な状況に目を覆いたくなった。
床にまで転がされている空き瓶、空き缶。テーブルの上には作っておいたおかずの空いた皿が無残にも放置されている。それに加えて、噎せ返るようなアルコールの臭い。
「兄貴、大丈夫?」
冷蔵庫から一本水を取り出してきて、机に突っ伏している兄貴の肩を軽く揺する。
「ん…けーた?」
相当飲まされたのだろう。真っ赤に目を充血させ、焦点は定まっていないようだった。
「歩ける?」
「…ん。」
半ば強引に兄貴の腕を引っ張って自分の肩に掛ける。腰を引き寄せ、立ちあがろうとした時、反対側の兄貴の腕が取られてぐん、と引っ張られて椅子の上に逆戻りされた。
「やだぁー優斗くん行っちゃうの寂しい~!」
ガキが嫌がるのもよく分かる。
兄貴も優子さんも酔うと面倒臭いけれどこの人を見ているとまだまだ可愛いものだと思う。
兄貴の腕に抱きつき、離そうとしない。
「川上さん、兄貴離して。」
「やだぁー。啓太くんも飲もうよ。」
「建太がいるから早く戻らないといけないんですよ。」
バイト先の上司じゃなければもっと強く出れるものを。
月曜日から木曜日までの週4日間、優子さんの勤めている会社でアルバイトをさせてもらっている。
建太の母親であるこの人は優子さんの同僚で、よくお世話になっているのだ。
「優子さん、何とかして。」
二進も三進もいかない現状に困り果てて目の前で楽しそうに傍観している優子さんに助けを求めた俺が馬鹿だった。
伸びてきた優子さんの手がうつらうつらしている兄貴の顎を捕え、唇を重ねた。
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