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愛し、愛されて
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「…ほら、ちゃんと歩いて」
「ぅ……んッ……ァ」
土曜の昼下がり。
二個のローターを入れたままやって来たのは 駅前の雑貨店。
「あ、これとかいいんじゃないですか?」
コクコクと頷くことが精一杯だ。
下肢からやってくる快感。
押し殺す声。
明らかに愉しんでいる相沢。
それから、少しの背徳感。
昼間の往来で こんなことをして。
周りにいる高校生。家族。老人。
色んな人に見られているような感覚に陥る。
「ッ……ぅ……ん…」
…音とか、漏れてないかな。
…声、ちゃんと抑えられてるよな。
意識し出すと止まらなくなって。
…聞こえてたら、どうしよう。
こんなことしてるって、知られたら…。
「……ッ…ん………ッ!!!!」
左手で隣にいる彼の袖を掴み、右手を口に当てながら果てた。
出かける前にコンドームを付けてきたので 染みになる心配はない。
「…じゃあこれ、買ってきて?」
「…む…むり…、…無理です…」
今、動いたら。
今、歩いたりなんかしたら。
…イッたばかりなのに。
「ちゃんとできたら…ご褒美あげるから…、ね?」
“ご褒美”
その言葉にゴクリと唾を飲む。
…今日は、どんなことをしてくれるのだろう。
膨れ上がる期待と 収まらない疼き。
僕は、単純なのだ。
「…わ…かり…ました……」
快楽に溺れてしまえば ただの従順な飼い犬になって。
主人が与えてくれる“ご褒美”の為なら…何だって。
絶頂を迎え倦怠感が纏わりつく足を動かす。
動く度にナカが擦れて おかしくなりそうだった。
「は……ぁ…ッ……」
熱っぽい息を吐き出し、身体に蓄積されていく熱を冷まそうとする。
まぁ、結局 無意味なのだけれど。
「…あの、具合…悪いんですか?」
声をかけられハッと顔を上げた。
その男性は僕の顔をじっと見つめてくる。
早く、答えなければ。
変に思われる。
そう思えば思うほど 無意識のうちに僕のナカはローターを締め付けていた。
「…へ…いき…です…、から…ッ」
足が震える。
全然、力が入らない。
「…腕、回してください」
掛けられた言葉に導かれるように 勝手に腕が動いた。
手に持っていたコーヒーカップはいつの間にか見ず知らずの男の手に渡っている。
もう少しで男の肩に腕が触れる、そんな時。
「う…わッ…」
その腕をグッと引かれ、腰を抱かれる。
突然の出来事に 呆然としていると、聞き慣れた声が隣から聞こえた。
「すみません…、俺の連れが迷惑かけたみたいで」
貼り付けたような笑顔と 笑っていない瞳に、全身の血の気が引いていくような気がした。
きっと今日は、“ご褒美”どころか“お仕置き”だ。
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