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吐息、堪えて - 1
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それからは、長いようで過ぎ去ってしまえばあっという間だった。
僕は、いつもと同じホームで電車を待っていた。
いつも通り、僕は上半身はブレザー、下半身はスカート姿。
しかし、今日はいつもより一本遅いダイヤの電車だ。
…そう、エリック先生と約束したから。
電車がホームに入る。
指定された車両、指定されたドアの前で並ぶ。
電車がホームに入った時に来る風がスカートを揺らす。
その風は今日はいつもよりもずっと足がすーすーさせた。
人の流れと一緒に、僕は満員電車に乗る。
人の波で埋め尽くされ、あんまり周りが見えない。
僕はいつも通りドア横の手すりに摑まって内側を向いた。
先生との約束の場所。
先生とのはじまりの場所。
人の波に揺られながら、電車は動き出す。
僕は、今か、今かとその時を待っていた。
先生が来てくれるのを、女装の恰好のまま待っていた。
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