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け
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おふろから上がったら食べ物のいい匂いがした。
俊介さんが作ってるのかな?
僕の分はどうせ無いだろうけど。
食事の邪魔はしたくないから部屋に戻り寝ようとした時
「ガキ、飯だ、出てこい」
って声がドアの向こうから聞こえた。
僕の事…だよね?
そーっと出てきたら無表情なままの俊介さんが出迎えれくれて僕の髪の毛を容赦なく引きずりダイニングテーブルの椅子に無理矢理座らせられた。
髪の毛すごい抜けた気がするんだけど。
それより、何この凄く豪華な食べ物!!
初めて見た!!
「俊介さんこれなに?」
「ハンバーグも知らねえの?」
僕、いつも魚の骨に付いてる身とかよくわかんないけど残り物とかいかにも腐ってる物を食べてるんだけど…
こんな暖かそうで匂いも美味しそうなの食べた事ないし見た事もないよ。
そういえばなんで2つも作ったのかな?
俊介さんって大食いなの?
そういえば俊介さんが食べてるとこ見た事ないや。
僕の前の席に座って俊介さんは食べ始めた…
うわー美味しそう…
僕お腹空いてるんだけどな…
あ、目が合っちゃった!
うわー食ってる人見つめるのって無礼だったような気がする…
ていうかこの状況目のやり場に困るじゃん!
し、下むいてようかな…?
「食べねえの?」
「え?」
「俺に作らせといて食わねえのか?」
な、なんで怒ってるの!?
「た、食べていいの?」
「何回も言わせるな。嫌なら捨てるぞ」
「だ、ダメ!!食べる!!ごめんなさい!!」
捨てるなんて!!
こんなの食べれるなんてこれが最初で最後になるかもしれないじゃん!
しかも俊介さんの手作りなんて!!
ふふっ
「いただきます!」
パクッ
うわぁすごい美味しい!
そして暖かい…
こんなの食べさせてくてるなんてやっぱり俊介さんは優しい…
僕は無我夢中で食べていたと思う。
美味しい…
お腹だけじゃなく胸の奥も満たされる感じ…
こんなの忘れていたけど、
わからないけど、
多分幸せってこういう事なのかもしれない。
幸せすぎて目の裏がつーんと熱くなって、涙がポロポロ出てきた…
セックス以外の時に泣いたりしなかったのに…
なんでだろう…
そしてどうしてもこれだけは俊介さんに伝えたかった、
「ありがとう」
泣きながら感謝の言葉を送ってる僕を見て驚いた顔をしたけど…それはすぐにいつもの無表情に戻り
「汚ねえ顔して俺に喋り掛けるな。食事の途中だ」
「うん、でもありがとう…僕と一緒に居てくれてありがとう…」
俊介さんはすこし悲しそうな顔をしながら小さく笑って「俺の膝に座れ」って言って僕はマッハで俊介さんの胸に飛び込んだ。
こんなに心が暖かくなったのは、初めてな気がした。
「座れって言っただけだ。そこで大人しく食ってろ」
「はーい」
そして僕は何故か緊張なんてしてないのにドキドキしていた。
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