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ぬくもり
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「んん…」
目を開けたら真っ白い天井が見えた。
あ、ここは俊介さんの部屋だっけ?
また寝ちゃったんだ。
手を上げ腕を動かしたりしても痛みがあんまりしなくなったから起き上がってみた。
うん、痛いけど平気な痛さだ。
久々に体制を変えた気がしたから一瞬立ち眩みしたけど、今はもう平気。
平気になったんだけど…点滴が刺さっててベッドからは離れられない…
暇だなぁ…
「あ、柚月くん起きた?」
ドアが開いて聞き覚えのある声の方に顔を向けたらそこには伊藤さんがいた。
まだ居るの、この人。
伊藤さんはなんでも知ってそうで、なのにヘラヘラしてるから苦手だ。
なんか腹たつし。
「伊藤さんは医者なんでしょう、病院はいいんですか?」
「僕くらいになればなんでも自由にできるんだよ」
「意味わかんないです」
どっか痛いとこはない?とかいきなりお医者さんモードになるから調子狂うし、真面目なのかそうじゃないのかハッキリしてもらいたい。
「柚月くん2日間寝たっきりだから焦ったよ」
え!?
てっきり3時間くらいだと思ったのに2日!?
それって危ないんじゃないの?
よくわかんないけど。
まあ別に心配する人なんていないから関係ないし。
「なんか食える?ヨーグルトとか買ってきたけど」
うーん、お腹は空いてないけどヨーグルトは食べたいかも。
「甘いやつ?」
「うん、フルーツも入ってるよ?」
「食べたい」
じゃあ取ってくるねってヘラヘラ笑顔で僕の頭を軽く撫でてから部屋を出て行った。
撫でられた頭を自分で触って自分で撫でてみた。
「暖かくなんない」
伊藤さんに撫でてもらった時は暖かくて、どこか懐かしく感じた。
ヨーグルト取ってきたら戻ってくるって解ってるのに…
部屋に1人残されて寂しいと感じる。
「今までずっと1人だったのに…」
1人…?
あれ?
僕は1人じゃなんかない。俊介さんが一緒にいてくれた。
でも、寂しかった。
まるで1人みたいに感じていたから。
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