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《遠退く想い》30
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「……アキラの病気のこと、俺なりに調べてみた…」
話しにくいことでも逃げずに話す。
「アキラの病気…今は治らない病気だということも…だんだんと悪くなる病気だということも…解ってる」
病気の進行のこと、ずっと避けていたみずきなのに…
その決意のこもった真っ直ぐな瞳に見つめられ…
「……」
返す言葉が出なくなる。
「けれど、それでも俺は、お前が好きだから…一緒にいたいし、お前のことを最期まで支えてやりたい…」
アキラの病気を詳しく知って…それでも一緒にいたいと思う気持ちは変わらない。
アキラが命を落とす可能性のある病気だということ…やはり直接言葉にすることは恐ろしくて出来ないが…
その可能性を解った上で…アキラを支えていきたいから…
それに、病気があるから尚更、アキラを独りになんかさせられない…
「……」
みずきの想い…
病気について…逃げずに考えてくれているみずき…。
その進歩に驚きながらも…やはり素直に受け入れることができないアキラ…緩く首を振ってしまう。
「アキラ、…その為には、お前の思ってること…お前の苦しみ悩みを知らなければ、到底できないことだから…」
優しくアキラの頬にキスを落とし…否定する心を止めさせて…
みずきの想いを伝える。
自分のことを話さないアキラだから…気持ちをさっして、動く努力はしているけれど…知らなければ、間違った対応をしてしまうかもしれない…
だから知りたい…アキラの口から…
何を悩んでいるのか…
何に苦しんでいるのか…
「他人に話せないなら、俺にだけでいいから、弱音を吐いたっていいんだ…つらかったらつらいって言っていい…苦しい病気だということ…俺は解っているから…」
そっと心に語りかける…
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