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《フミヒコの思惑》1
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「アキラ…帰ろう」
みずきは一声かけると、出口を目指し歩き出す…
「みずき…」
その背中を見て、後を追うように起き上がり…名前を呼ぶ。
「……」
振り返るみずき。
「みずき…ごめん、オレお前に貰った指輪無くしたんだ」
フミヒコに捨てられてしまった指輪。
「あぁそれなら気にするな、俺も無くしたから…」
少し微笑みながら伝えるみずき。
「え…」
「どこで無くしたか覚えていないんだが、今はそれほど大切なものでもない気がしているんだ」
どこか重荷が取れて、すっきりした顔のみずき。
「よく考えたら、お前のことも何か勘違いしていたのかもしれない」
「勘違い…」
「あぁ、だからもう指輪もいい。これを期に別れようと思う。今まですまなかったな」
さらっと迷うことなく出た言葉…
別れの言葉…
「……そっか…」
ポツリと答える。
それ以上…声が出てこない。
「じゃぁ帰ろう」
何事もないように…
再び前を向き歩き出すみずき。
「……」
あっさりした別れ…
本当に…
これで終わり…?
後腐れないけど…
みずきの想い…
こんなにあっけなく変わってしまうものなのか…
「別れよう」
これでいいはずなのに…
オレは何を期待していたんだ…
本当に……。
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