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《廻らぬ歯車》56
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離れていくココロ…
みずきの頬に触れた右手を見つめ、その手でそっと自分の頬に触れるアキラ。
みずき…
想うと、涙が出そうになる。
「女々しいよな…」
心配する犬たちに向かって呟く。
フミヒコにも言われたけれど…ホント、女々しい自分。
けど、もう泣かない…
この涙は、自分が哀れだと嘆く涙…
そんなものは必要ないし、流す価値もない。
みずきは幸せになる、オレから解放されて自由になるんだ。
泣く要素がどこにある?
なのに…
……。
このどうにもならない感情を…
かなぐり捨てたくて…
「強くならなきゃ…」
伸びた髪の毛をぎゅっと引っ張り、言葉にする。
これから乗り越えなきゃならないことは山ほどある。
プライドを折って、妥協して、他人の援助を受けて生きて行かなきゃならなくなるから…
それに耐えるためにも、強い心を…
両の拳を握りしめ…弱い心を叱咤し、強く思い直すアキラだった。
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