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ほんとこの美形様達は誰だか知らないけどさぁ、初めましての人にする態度じゃないよねこれ。
それに、なんでこんな偉そうなの?
ちょっと俺ついていけないんだけど。
「ふぅん?君、親臨学園からの編入生だよねぇ?」
「え!!?そうなのか?」
確認をとってくる卑猥な少年・・・・もういやらしフェイスでよくね?うん、いいでしょ。
そのいやらしフェイスが厭らしい顔で聞いてきて、何故か驚くモジャ。
なんで驚かれるんだろうか
「そうですねぇ」
おざなりな返事になってしまったのは許してほしい。
「えーこの子そんな強いの?」
「秒速で終わりそうですけどね」
かわいい子とクールビューティが何やら失礼なことを言っているがもう突っ込まないぞ。
「な!お前強いの!?」
モジャ男がいやらしフェイスを押しのけて目の前に来る。
いやらしフェイスが目の前に来てもキラキラしていて目に毒だったが、モジャ男はそのままの意味で目に毒だな。
ちょっと離れてもらいたいんだけど。
「いやぁ普通ですよ普通。なんでここに編入してきたのかよく分かってないですから」
モジャ男の顔がどんどん近づいてきていたのでそれを押しのけながらそう言った。
「なぁんだそうなのかー」
つまんねーの!!と大きな声で言うモジャ男にその口を縫い付けてやりたくなったのは当然のことだと思いたい。
「ふつう、ねぇ」
なにやら意味深な言葉を吐くいやらしフェイス。
何よ、今の回答に何か文句でもあるの?まぁ口には出しませんが。
代わりに乾いた笑いを送ってやった。
「俺のこと知ってるかなぁ?」
モジャ男がへへへ、と笑いながら頬をかく。
いや、あんたみたいなモジャ男なんか知りませんけど、なんなんですか自意識過剰ですか
「俺さ、二つ名あるんだー!」
「へぇ、それはすごいですね、有名な方なんですか?」
このモジャ男に二つ名があるなんて俺びっくり。
二つ名ってのは俺で言う”反則狙撃”って名前ね。
この名前は勿論、上位ランカーにしか与えられないからこのモジャ男実はすごい奴だったりするの?
「おう!俺の二つ名は”反則狙撃”だぜ!」
「静!!そんなホイホイと二つ名を口に出してはいけませんよ!」
「そうだよー、”反則狙撃”にあこがれる人は多いんだから余計にライバルが増えちゃうじゃん」
待て待て待て。
”反則狙撃”って言ったかこのモジャ男。
目の前にいるっつーのになんて嘘ついてんだ。
え、なに”反則狙撃”はこんな奴だと思われてんの?
なにそれすごい嫌なんだけど。
「へぇ、俺も”反則狙撃”は知ってますよ。この学園にいるとは・・・どんな戦い方するのか楽しみですねぇ、みなさんは見たことがあるんですか?」
「いや、去年のランク戦は2回とも出てない」
クールビューティが答える。
だろうねぇ、このモジャ男がどんだけのもんか知らんが戦ったらすぐわかるでしょ。
「あ、でも今年は参加するよ!!でもあんまり目立たないようにするつもり!!」
よくわからんことを言う奴だなぁ
目立たないようにするつもりとかさぁ、なんなのほんと。
たぶんこのモジャ男が”反則狙撃”だって知っているのは極わずかなんだろう。
俺より先に来た転入生、ね。
「そうですかぁ、それより自己紹介がまだでしたよね?俺は清水春樹です。同室者くんは神崎君でいいのかな?」
春樹は人の良さそうな笑みを向けて話を変えた。
「おう!!俺は神崎静!!静って呼んでくれよな!同室だし仲良くしよーぜー!!」
モジャ男、もとい神崎が俺の手を握って大げさに振る。
いやらしフェイスがそれをさりげなくほどいて口を開いた。
「俺は生徒会会計の星野陵(ほしのりょう)だよー?で、こっちの黒髪で眼鏡が副会長の宮下修(みやしたおさむ)でぇ、この小さいのが書記の坂口未來(さかぐちみらい)だよ」
へらへらと笑いながら紹介してくる。
てっきり俺たちには構うなよスタンスかと思っていたからちょっとびっくりだ。
「へぇ・・・ご丁寧にどうも、みなさん生徒会、ですか」
まぁ生徒会ってことをひけらかしたいだけかもしんないけどねぇ。
上位ランカーは生徒会、風紀で占められているようだから。
逆らわないように牽制ってとこかなぁ?
でもさぁ、それって逆効果なわけだよ星野会計さん。
上がっていく口角を抑えようとも思わない。
なんでモジャ男が俺の名前を語ってるんだろうとか色々思うところはあるんだけどさ、そんなことよりも目の前の人たちの高い高い鼻を折ってやらないと、ね。
あーんな疲れた顔の美形はもう見たくないわけですよ。
ふっと柏木会長の顔が頭を過った。
「頑張ってくださいね?”色々と”」
上がった口角はそのままに、星野会計にそれだけ言うと春樹はすたすたとリビングの奥にある扉を目指す。
二つ扉があるが、どちらかが春樹の寝室なのだろう。
「神崎くーん、俺の部屋どっち?」
「え・・・あ、えと、左・・・・」
「そ、ありがと」
急に声をかけられてびっくりしたのかはきはき喋っていた彼にしては珍しい反応だ。
ちょーっと悪ふざけが過ぎたかなぁなんて思いながら後ろを流し見ると、いまだに固まっている星野会計と、よくわかっていない3人。
春樹はそのまま何を言うでもなく寝室に入って鍵を閉めた。
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