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部屋の扉を閉めてきっちり鍵をかけて部屋の中を見渡す。
2箱だけつまれた段ボールに簡易ベットと机があるだけの殺風景な部屋だった。
「あーあー、ほんと疲れたなぁ」
声に出してみれば、余計に疲れを実感する気がする。
にしても、同室者がまさかの俺の前に来た転入生だとは思わなかったなぁ
初日で生徒会メンバーに全員会うとは自分の悪運が強すぎるんじゃなかろうか
それに、あのモジャ男はなんで”反則狙撃”を語る?
なんのメリットがあるんだろうか
戦闘訓練にそもそも出てない感じだったが単位も大丈夫なの?それって。
明日からも授業で戦闘訓練はあるし、1か月後に行われる大会も久々い頑張んないとなぁ
春樹はくぁ、と小さく欠伸を漏らしてベットに腰掛ける。
寝てしまいそうだ。
まだ夜ご飯も食べてないが、ちょっとそれどころじゃない。
眠い。すごく眠い。
「あ、かしわぎかいちょうに・・・メールおくらないと・・・」
そのまま横になり、押し寄せる眠気に逆らわずにそっと瞼を閉じた。
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ーーーー
【星野side】
なにあいつなにあいつ。
「陵ー?どうしたんだよー?」
静が声をかけてくるがその声は右から左へと流れていく。
あの、平凡に最後言われた言葉に自分の体がびっくりするぐらい動かない。
なんでだ。
そんなに変なことは言われていない。
それでも何か”引っかかる”自分がおかしいのだろうか。
思えば、途中からあの平凡の雰囲気が変わった気がするのは気のせいだろうか?
どこから変わった?
俺たちが生徒会と名乗ったときからか?
いや、違う。
もっと前ーーー。
静が”反則狙撃”と名乗った時からだ。
あの平凡の雰囲気が静を見下していた、ように感じる。
そして、俺たちの名前を言ってからはそれが俺たちにも向けられていたように感じる。
なんで静達はそれに気が付かない?
こんなにもあの時のあの平凡の雰囲気は異様だったというのに。
見下して、それでいて楽しそうに口角を上げる平凡は異様だったというのに。
『頑張ってくださいね?”色々”と』
耳元で聞こえた冷たい声音が甦る。
あんな平凡に遅れをとっただなんて生徒会である俺には許されない。
明日からの戦闘訓練、それと1か月後の大会はあの平凡を見つけて殺してやる。
とにかくこの奇妙な違和感と感じた恐怖を振り払いたくてそう思った。
「くっそ・・・」
「陵ー?」
「ん?静どーしたのー?」
やっと頭を整理したところで静の声に反応する。
見上げるように窺う静はかわいい。
へらっといつもの緩い笑みを浮かべて陵は首を傾げた。
「どうしたんだよ?なんか怖い顔してたぞー?」
「あぁなんでもないよぉ?」
「ならいいんだ!!って、あ!!春樹と一緒に食堂行きたかったんだ!!」
そう言って、静が平凡の部屋に行こうとするのを、腕を掴んで引き寄せることで止める。
「静ぁ今日は疲れてるだろうし、そっとしといてあげよう?」
「んーでもさぁ」
「明日からたくさん一緒に行けるでしょー?今日ぐらいはゆっくりさせてあげよー?」
さっきのことがあったのに平凡ともう一度会うなんて嫌だ。
またあんな見下したような目で見られると思うと何故か動けなくなるような気がした。
それを、恐怖だなんて信じたくもない。
それらの感情を押し殺して必死に言いつのれば、静は納得したようで、「うーんじゃあ明日から誘う!!」と声を張り上げた。
そのまま4人で食堂へと足を運ぶ。
部屋を出る際に、平凡の部屋であろう扉に視線を一度だけ移して、部屋を後にした。
【星野side終わり】
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