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微熱
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ピピピピ、、、
目覚まし時計の音が、段々と大きくなっていく。
朝の目覚めはよかった。
久しぶりにストレスも無く目覚めた感じがする。
ベットも気持ちがいい。
天野さんの匂いが、体温と共に伝わってくる、、、。
そこではっと気がついた。
これは夢じゃない!
「おはよ、マキノくん」
目が点になる。
天野さんが枕元にある目覚まし時計を止めて、俺を見つめていた。
しまった、と思った。
通りで清々しい目覚めなワケだ。
俺、天野さんのベットで寝てたのか!
「おおお!おはようございます!」
ベットを飛び起きて声をあげた。
冷静な判断が出来ない。
「俺ちょっとご飯作ってきます!」
脱衣所で見られて以降、天野さんはずっと側にいてくれた。
俺の我儘を聴いてくれたこと、自分の恥を見せてしまったことに対して罪悪感が湧き上がる。と同時に言葉には表せない奇妙な感情が湧き上がってきた。
尊敬している人だからこそ、近づいてはいけない。同じ業界で先輩と後輩という縦社会があるからでもあるが、一線を踏み込んではいけないと、心の底では分かっていたはずなのに。
まだ気候はだんだんと涼しくなっていってるのに、今日はいつもより熱い。
窓を少し開けて空気を吸ってみた。
太陽はもう既に上がってきている。
いつもより世界が変わって見えた。
ベットで見た、天野さんの目がふと思い出される。
耳が微かに微熱を帯びた。
今日の俺はどこか変だ。
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