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いざ、長崎
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朝早く空港へ向かい、飛行機に乗った
昨日は、緊張して眠れなかった
「高志、向こうで県を跨いで大々的に宣伝したから、たぶん岬君も気付くだろう」
「うん…」
「やけに大人しいな?具合悪いのか?」
「いや、なんか緊張しちゃって」
「そうか…少しでもいいから休んどけよ」
目を瞑り、アイマスクをした
これで、ファンや追っかけに声を掛けられる事はない
あの写真の岬が目に浮かぶ
ニッコリと微笑む
いや、きっと会えば泣き出す
俺は、それを優しく受け止めてやろう
泣き止むまで抱き締めてあげよう
勝手な妄想が膨らむ
もしも…なんて考えない
会えるんだと信じる
短絡的だと言われるかもしれないし、呆れられるかもしれないけど、会えないという選択肢は存在しない
これって愛のパワー?
自然と笑みが零れる
手で口元を隠した
たぶん、アイマスクしてニヤニヤしてたら変態だと思われる…
それだけは避けなければ
アイマスクを外して、スケジュール表を眺めた
半日の後、2日の休みをもらった
もちろん、長崎宿泊で
もう、職権乱用とかのレベルじゃないよね
公私混同してるのは分かってるけどさ…
会えたら、5年分イチャイチャしたいし
本当なら、2日なんて足りない
そこに住み着く覚悟はある
でも、兄貴に怒られた…
ちぇ
最近怒りっぽい
和泉さんと何かあったのかな
隣を覗き込んだ
「ん?」
「最近さ、和泉さんとなんかあった?」
「冷戦中」
そう言った兄貴の横顔は悲壮感漂っていて、見ていて痛々しい
「喧嘩したの」
「なんで」
「お前がサプライズ云々とか言ってたから、やったわけよ…そしたら、烈火の如く怒り出した…んで、家庭内別居してます」
「何したの?」
「普通に、ご飯作ったよ?炒めて混ぜるだけのやつ…」
「あー、炒めたの…」
「なんだよ…ダメだったの?」
「余計な物入れたよね?」
「油なかったから、バター入れた」
「因みに何作る気だった?」
「エビチリ…」
「ばっかじゃね?エビチリにバターって…」
「駄目なのか?」
「問題外だよね…ごま油とか無かったの?」
「考えつかなかった…」
「なるほどねー食材無駄にした挙句、クソ不味い物食わせたんだ…そりゃ怒るわ」
「あぁ…もう俺駄目かも…」
「まぁ、後でフォローしとくからさ…落ち込むな」
「お前に慰められるとか…人として終わった気がする」
「そこまで??」
「帰ったら、機嫌良くなってないかな…」
「あー、一つあるよ。しりたい?」
「何?何?」
「博多の有名店の辛子明太子。好きだって聞いたことあるよ」
「辛子明太子…足伸ばして買ってこようかな…」
「でも、高くて買えないんだって。いつも迷って買えないとか言ってた」
「分かった、買って帰る!」
俺と同じで、思考は短絡的
乗せればどこまでも伸びる
たまに暴走するけどね…
「馬鹿みたいに何個も買わないで、一つだけ買って渡すんだよ」
「好きなら沢山食べたいだろ?」
「そこが駄目なんだよ…次は一緒に買いに行こうなとか言えないの?本当、そのうち捨てられるよ」
「それは困る…一つだな?一緒に買いに行こうか…そう言えば、旅行にも誘ったことねーな…お互い忙しくて」
「もう、この際だから誘っちゃえ。近場なら1日あれば行けるしさ」
「そ、そうだな…うん…」
そうこうしてる間に、飛行機は長崎空港に降り立った
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