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イベント開始
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テープカットから始まり、店内での撮影会
トークショーをこなしていく
2度目のトークショーの合間に休憩を挟む事になり、近くのコーヒーショップへと足を運んだ
知らない街
色々な匂いがする
見る物全てが珍しく
お上りさん状態
テイクアウト用に作ってもらったコーヒーを片手に、ゆっくりと街を歩いた
忙しなく歩く人々の居る都会と違って、流れは緩やかで心地いい
あちこちで笑い合う声が聞こえる
ふとある一点で目線が止まった
ショップの方をジッと眺める人物…
「岬…」
ああ、会えた
やっと…
俺が近付いても気付かない
きっと、俺はまだ中に居ると思ってる
後ろへと行き足を止めた
「見つけた」
そう言って、背後から抱き締めた
一瞬腕の中でビクッと跳ねた身体
「逢いたかった…岬」
「高志…」
「ずっと探してた…あの時からずっと」
「うっ…」
「ここじゃ目立つからこっち」
腕を引き、ショップの店舗裏からバックヤードへと連れて行った
「岬、顔見せて?」
俯いたままの岬に手を伸ばした
頬に手を寄せれば、潤んだ瞳が俺を捉える
「やっぱり、泣いた」
「…っ」
「ここで待ってて…一仕事終わらせてくるから。コーヒーあげる」
トークショーの為に、店内へと足を向けた
「みなさん、こんにちは。このショップの専属モデルのko_siです。もうお買い物はされましたか?お済みでない方は、トークショーが終わったら購入をお願いしますね。さて、初めて長崎に来て驚いた事があります」
ゆっくりと店内を見回すと、いつの間にか岬が壁に寄り添うように立っていた
「空気が美味しい事。俺の住む所より、時間がゆったり流れている事。そして…君に逢えたこと」
岬を見ながらそう告げた
照れたように笑い、俯いた
「第二の住処にしたい位気に入っちゃいました。本当に良いところですね。この服たちも、心なしか嬉しそうに見えます。さて、俺の話はこれくらいにして…質問とかある人居ますか?」
手前に座った女の子が手を挙げた
「あの…雑誌見たんですけど。本当なんですか?」
「遊び人てやつかな?」
「はい…」
「俺ね、結構一途なの。もう5年も思い続ける人がいる位。そりゃね…その人に会うまでは、遊んでたかもしれない。と言っても、学生の頃だからね。みんなも経験あると思うけど、そういう時期ってあるでしょ?でも、それを過ぎると遊ぶ事自体が馬鹿馬鹿しく思えてきて…そんな時かな。出会ったのは…凄く好きでね。もう、俺から何度も告白した。
なかなか信じてもらえなくてね…ほら、俺って結構チャラそうでしょ?本気にしてくれない訳。だから、とりあえず友達から始めたの…一緒に遊びに行ったり、食べ物食べたり。俺はそれ全部がデートだと思ってた。ある時、ちょっとした事でその子が俺の事好きだと分かった。もう、そこから止められなくてね…感情がさ、溢れちゃうってのかな。好き過ぎて、甘やかしたいし、どんな我儘でも聞いてあげたくて…それ位好きだったけど、ある事が有って離れなきゃいけなくて…辛かったけど、それしか選択肢が無かったんだ。いっぱい泣かせちゃった。今でも泣かせてるのかな?」
岬を見ると、小さく首を振ったのが分かった
「それから会えない5年、俺はその子を思い続けてる。だから、遊び人じゃないよ?」
「あの、その人とは会えたんですか?」
「それは、想像に任せるよ。ただ、前よりは近付いたかな?って思うよ」
「ありがとうございました」
それから幾つかの質疑応答をしてトークショーの幕は閉じた
ゆっくりと歩を進め、岬の待つ場所へと向かう
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