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酔っ払い
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「ko_si君…」
「なんですか?」
「君の恋人に電話繋いでくれないか?」
「は?」
相当酔っているようで、カメラマンが俺に寄ってきたと思ったらこの発言だ
何故岬と話したいのだ
興味本位なのか?
「飲み過ぎですよ」
「真面目な話なんだ…」
「一体なにを?」
「それは、相手に話す」
「いや、俺の一存では…」
「じゃあ、聞いてくれないか?ダメなら諦めるから」
「はぁ…」
渋々携帯を取り出し電話をかけた
「もしもし」
「あっ、俺」
「なんか周り騒がしいみたいだけど…どうしたの?」
「いや、それがさ…カメラマンの人が話したいって」
「え?どういう事?」
「俺の恋人と話がしたいんだって、嫌なら断ってもいいって…」
「なんの話かな?」
「いや、俺も分かんない…直接話すって言うから」
「そうなの?でも、なんで俺なんだろ」
「なんでだろうな?」
「まぁ、いいよ。高志はその人の事信用してるんでしょ?」
「うん、なんで分かったの?」
「だって、高志なら自分が信用してない人なら、こうやって電話掛けてこないだろうから」
「なるほど…さすがですな(笑)」
「ふふ、でしょ?」
「じゃあ、ちょっと代わるな」
携帯を耳から離して、カメラマンに声をかけた
「話してもいいそうです。どうぞ」
「おお、マジで?代わる代わる」
俺の携帯を受け取り、自己紹介を始めた
それを横目に、グラスに残ったビールを飲み干した
「で、ですね…良ければなんですけど…えぇ…はい。ko_siと貴方の写真撮らせて貰えませんか?」
その言葉に、思わず飲んでいたビールを吹き出した
「うわっ、ko_si汚いってば…何してんだよ」
「すみません…って、何突然」
「あ、いやko_siがビールを吹いて…あっ、はい。うん、そう…あー大丈夫。テーブル汚れただけだから(笑)で、さっきの話だけど…うん、うん。いや、俺ね…未だにko_siの素の表情って撮ったことなくて、君と一緒なら撮れると思んだ…それで…あっ、そういう事…うん。考えてみるだけ考えてくれないかな。うん、たくさん考えくれていいよ。俺個人のお願いであって、仕事とかじゃないから。うん、そうだよね(笑)うん…あ、そうなんだ…とりあえず考えておいて。じゃあ、隣でイライラしてる彼氏さんに代わります。って事ではい」
「全然分かりませんよ!説明してくださいよ」
「それは、電話の相手に聞いて?」
ウインクで返され、背筋がゾッとした
「もしもし?岬、どういう事?」
「なんかね、高志の俺にしか見せない顔が撮りたいんだって…俺の顔は写さないようにするからって…だいたいそんな感じかな」
「ふーん…流石にそれはちょっとなぁ」
「だよね…とりあえず、高志と相談してから返事しますとは言ったけど…」
「そっか、とりあえず今出先だから、後から電話する。突然ごめんな?」
「いや、構わないけど…あんまり飲みすぎないようにね」
「はーい、じゃあ後で」
電話を切り、隣の酔っ払いを睨んだ
「そんな怖い顔で睨むなよー俺な…カメラ辞めるんだわ」
「え?」
「まだ皆には言ってないけど、病気なっちゃってさ…続けらんないの。最後にko_siの事撮りたかったんだ…」
「病気って?」
「緑内障、もう右目は見えてねーんだわ…左も半分見えてるか見えてないかって感じ」
「え?でも普通に撮ってますよね?」
「長年の勘と集中力かな…なにせほら、ピント合わせやらは助手がやるからさ…俺はシャッター切るだけ(笑)流石にそれじゃあ、もう俺の作品じゃねーし…最後にお前だけは、自分で撮りたいんだ…考えておいてくれるか?」
「分かりました。ちゃんと話し合って返事しますね」
そうとしか返事が出来ない…
驚いて、一気に酔いが冷めた
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