アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
噂が目の前に―咲side
-
今日は少し早めに登校して大人しく席に座っていた。
そして、少しだけ昨日こことを反省中。
勇と泪と前田で遊んだ時。
前田と2人で盛り上がっちゃって、泪と勇のことを放ったらかしにしちゃったんだもん。
そしたらなんか2人とも距離近いし、勇は何考えてるか全然分かんない態度とってるし。
さらに、痛恨のミスで学校に大事なプリント忘れてくるし〜もー俺のバカ!!
なんも考えずに前田も付いてきてくれるって言うから、付いてきてもらっちゃってさ…暗いの怖いから……うー!
二人っきりにして大丈夫だったかなぁー…ちょっと不安。
とりあえず、泪が来たら聞いてみよう!
足をぶらんぶらんしながら、泪が来るのをひたすら待っていた。
ちょっと教室の外がいつもより騒がしい。
生徒もほとんどが教室に揃い、もしかして今日は欠席…?なんて考え始めていた時。
俺らの目の前に信じ難い光景が飛び込んでくる。
「みんなおはよう」
「ムリ…ムリムリ……死にたい……」
颯爽と現れたのは王子様。そしてその腕に抱かれているお姫様。
な……え?
教室にいた全員が言葉を失い、2人に釘付けになっている中、当の本人である遥海先輩は爽やかに微笑んでお姫様抱っこをしている泪の背中をぽんと叩いて顔を上げるように促していた。
泪は必死に首を左右に振って、遥海先輩の肩に顔を埋めている。
その耳は真っ赤っかで相当恥ずかしいんだろう。
泪と遥海先輩のド派手な登場。
それがどんなことを意味するのか。
流石に察するけど、次の瞬間またまたとんでもないことをぶっ込んでくるんだ。
「俺と泪はこの通り付き合ってるんだ」
「ちょっ!!勝手に何言っ…ん!?」
ぴゃぁぁぁぁ!!??
付き合っていると宣言した遥海先輩に対して慌てて、否定しようと顔を上げた泪。
だけど、そのお口は遥海先輩の唇で塞がれてしまった。
つまり、みんなの前でキスして見せたってこと!!
その色っぽいキスシーンに免疫のない俺らは赤面しつつも、目が離せなくって…ぴゃぁぁぁぁ!!
唇を離した遥海先輩はシンと静まってしまった教室で、もう1度今度は色香を纏った笑みを浮かべて
「だから、泪に手を出そうとするのは止めてね」
そう、どこか1点を見詰めながら言葉を口にしてペロっと唇を一舐めした。
その王子様なのに危ない雰囲気はこの教室にいるみんなを虜にした。
やばっ…俺でもドキッとしちゃった。
顔を真っ赤にしてアワアワしている泪を、遥海先輩はその場にそっと下ろし、頭をポンポンと撫でている。
「る…い?」
無意識に立ち上がり声を上げていた俺。
一瞬の間のあとみんなが次々に声を上げ、教室内は歓声に絶叫に悲鳴に大変なことになっていた。
泪と遥海先輩が付き合ってる…噂は本当だったんだ…そうか…そうだったんだ!!
それってそれって…おめでたいじゃん!!!
泪の元に駆け寄ろうとしたけど、それより先に遥海先輩が一歩前に出た。
「それと…森くん、河瀬くん、林くん。泪と仲良くしてあげてほしいんだ。泪のことよろしくね」
「「「あ……も、もちろんです♡」」」
名指しで3人の生徒に甘く微笑み、泪の肩を抱く。
ピシッと石みたいになっている泪はされるがまま固まっているし、名指しで言われた生徒は目をハートにしてメロメロで頷く。
どうして遥海先輩がその3人を名指しにしたか。それは俺でもわかるよ。
あの3人はこのクラスで遥海先輩ファンで有名だからね!
多分、泪と遥海先輩が付き合ってるって知って嫌がらせとかするかもしれないからその牽制だと思う。
さっすが遥海先輩!地味に計算高いなぁ。
「じゃあ、泪。放課後迎えにいくから教室で待っててね」
「……も…やだ…」
上機嫌でヒラヒラ手を振って去った遥海先輩。
残された泪は半べそで自分の机にダッシュで着いた。
あああああーーー!!ウズウズする!!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
91 / 123