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お前の前じゃ無いと同じ。 side 藤倉
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葉山からもらったプロットの内容はこうだった。
二人の男が男同士で恋に落ちる。
周りに公表できるような暮らしではないがささやかな幸せを抱えて生きてきた二人。
だがそのうち1人が女と浮気をするようになる。
気づきながらもそばにいようと気持ちを押さえ込めるもう1人の男
の、自叙伝。
[葉山、これは重いとかの問題じゃなくて…]
[…やっぱだめですか。]
[いやだめというかなんというか、これは、]
[おれ、もう、これ以外かけないです。]
葉山は瞳に涙をぷっくり溜めてこちらをみてくる。
淡い色の虹彩が涙でゆらゆら揺れるのが綺麗だった。
[お前これ、書いてどうすんの]
[本として出してもらいます。]
[ちがう。…出版したあと、その、お前恋人とか周りとかと折り合いわるくなりそうじゃね?]
あの陽太とかいう恋人と今以上に関係が崩れたら、こいつはそれこそ今以上にやばくなるんじゃないかとおもった。
のに。
[それは、そのとき考えます。
お願い、藤倉さん。
おれ、もう藤倉さんしか頼れないから……。]
そんなこと言われたら。
俺の考えなんて。
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