アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
「っん、んん……はぁ」
目が覚めると、昨日と同じ寝室にいた。両隣を見ると変わらず裕二さんと明が。もう1つのベッドを見るとアキ君とレイヤ君が。
とりあえず僕が起きれたってことはもう朝になっているはず。
隣を起こさないように、僕はリビングに行った。
「今日は~ホットドッグと~オニオンスープにしよう!よし、みんなが起きる前に作っておこうっと。~♪」
僕は鼻歌を歌いながら朝ごはんを作った。
作り終わると、僕は裕二さんを起こしに寝室へ戻った。
「裕二さん、裕二さん……起きて」
「あさ……?」
「朝ですよ。みんなを起こさないように、ね?」
「ん……」
周りを起こさないように注意しながら、裕二さんと2人でリビングに移動した。
裕二さんの為にコーヒーを作りにキッチンに行く。すると、裕二さんは僕を止めた。
「今日はゆっくりしよう。コーヒーはまた後で」
「いいの?」
「ああ。昨日もずっと動きっぱなしだっただろ?今日はみんなが起きるまで、ゆっくりしよう」
「うん。あ、裕二さん、朝ごはん出来てるの。先に食べてからゆっくりしたいな」
「じゃあ、そうしよう」
裕二さんと2人で朝食を食べるのなんていつぶりだろう。
「今日は何をしようか。昨日は3人で楽しそうだったな」
「うん、アキ君と明が可愛いすぎて……。天使だったよ……本当に。あ、それとね、アキ君のこと朝より沢山知ったんだ。裕二さんも、レイヤ君と話してたよね?」
「ああ。あの二人は婚約してるらしくて、遠回しに牽制されたよ。だから俺も、言っておいた」
「/////っ そ、そんなこと話してたんだ。他には?」
「他?ん~……内緒」
「ぁ、それはずるいっ」
人差し指を口に当てて言うのはズルい。本当にカッコイイから。それに、内緒なんて言われたら、聞きたくても聞けないじゃん……。
「でも、裕二さんもレイヤ君と仲良くなれたんじゃない?」
「まあな。……さてと。優紀、イチャイチャしたいから早く洗い物終わらせよう。俺も手伝う」
「ありがとう、裕二さん」
洗い物をささっと終わらせて、ソファに座った。
すると、裕二さんが膝に乗ってって言ったから、僕は向かい合うように膝に乗った。
それから暫く2人で抱き合って、少しだけ、キスした。
もうちょっとで息できないっていう時に、寝室のドアが開いて、僕は驚きのあまり変な声を出してしまった。
恥ずかしすぎる……。
「ぉ、お邪魔しました……」
「や、や、まって!アキ君、大丈夫だからっ」
声の主は間違いなくアキ君で、だんだん扉が閉まっていく。
「アキ君、おいで」
「で、でも……」
「邪魔じゃないから」
アキ君は裕二さんに誘導されて、僕と裕二さんの間に座った。
恥ずかしいのか、下を向いて顔を赤く染めているアキ君はもう言葉にできないくらい可愛くて、僕は無意識にアキ君のほっぺをつついていた。
「ゆ、優紀さんっ!?」
「……」
すっごい……ふにふにのもちもちだ……。これが、若さ……。
つんつんつん、ムニムニ……
「あう、」
あうあう言ってるのも可愛い……。
「優紀、そろそろやめてあげな。アキ君、ショートしてる」
「っは、ごめんね、ほぼ無意識だった」
「可愛いな……大丈夫か?」
「はぁ……こういうの、あまり慣れてなくて。すみません」
「ごめんね、ちょっと触るだけのつもりだったの……」
「いえっ、大丈夫です!」
なんていい子なんだ……。あ、これ2回目か。
明とも弟妹とも違う感触だった。お餅みたいな……?そんな感じ。
「アキ君、今更だけどご飯食べる?」
「あ、まだ大丈夫です。みんな揃ってからで」
「わかった。みんなまだ寝てた?」
「はい。明君、ぐっすりでしたよ」
「そっか。あ、レイヤ君1人にして大丈夫?」
「……いた方が、いいですかね?」
「いつもは、どうしてるの?」
「いつも……。行ってきます」
「うん、いってらっしゃい」
アキ君は戻って行った。
ちょっと寂しいかも。
「優紀……」
「ん、」
僕はまた、裕二さんの膝の上に乗った。
「ねぇ、僕重くない?足、痛くない?」
「全然。軽いから痛いなんて感じない。それより、何か言いたいことあるんじゃないのか?」
「……えと、」
「誤魔化さないで、教えて?」
言いたいこと……色々ありすぎて、何から話そう。
「裕二さん、僕さ、あそこにあるおっきい冷蔵庫と冷凍庫が欲しいんだ。今のもいいんだけど、おっきいと、買い貯めできるでしょ?」
「そうだなぁ。今度、見に行こうか」
「うん!それから、僕やっぱり、こんな家族つくりたいなぁ」
「こんな家族って?」
「アキ君やレイヤ君みたいな子たちと、明と裕二さんとで、あったかい家族をつくりたい」
「そうね……うん、わかるよ。俺もそう思った」
「あとね、裕二さん明といる時もそうだけど、デレデレしすぎ!アキ君にも、レイヤ君にもっ」
「そうか?」
「そうだよ。僕ちょっと、モヤモヤする」
「そっか。ならもっと、教えてあげないとな」
「えっ?わ、ちょっ」
裕二さんはニヤリとして僕をソファに押し倒した。
そんな、こんな所でなんて……
みんながいつ来るかわからないのに……
「ふっ、冗談。何もしないから。期待した?」
「し、してないっ!も、裕二さんのイジワルっ」
「ごめんごめん。でも、俺も結構嫉妬してる。あの3人に構いすぎだ」
「……お互い様?」
「そう。お互い様」
お互いに笑いあって、そして思った。
僕は幸せ者だと。
また、寝室のドアが開いた。
「まま、ぱぱ……」
「「おはよう、明」」
「よ、よかったぁ~!!」
明はいきなり泣き出してしまった。
どうしたのか聞くと、起きて僕たちがいないから、自分だけ置いていかれたんだと思ったらしい。
何とか泣き止ませて、3人でアキ君とレイヤ君が起きるのを待った。
「「おはようございます」」
明が起きて、すぐに2人も起きてきた。
「おはよう。もうご飯出来てるから、顔洗っておいで」
「「はい」」
明の泣き声で、起きちゃったかな?
あとで、謝っておこう。
、 、 、
ごはんを食べ終わって、5人で談笑をしていると、ヒラ……と紙が落ちてきた。
「これ……」
読むと、そこには“残り15時間”と書かれていた。
「の、残り15時間って……」
「どういうこと……?」
僕は裕二さんの、アキ君はレイヤ君の腕に抱きついた。
考えをいい方に持っていこうとするんだけど、ネガティブな方しか思い浮かばなくて、こわい……泣きそう。
そんな僕に、明は手を握ってくれた。
大丈夫だよって言ってくれるみたいで安心する。
裕二さんとレイヤ君はまた、脱出口を探しに行ってしまった。
そう言えば、“?”っていう部屋はなんだろう。
開かなかったきがする。
「優紀、明、アキ君は今のうちに出来ることをしておいて。なんでもいい。あ、昨日言ってた料理をしていてくれないか?もちろん、明も手伝ってくれるよな?」
「もちろん!」
「はいッ」
「わかった、裕二さん」
返事をして、僕達はお昼兼夕飯を作るために、キッチンに行った。
「何作ろっか。あ、ロールキャベツはどう?」
「……ぁ、はい。ロールキャベツ……」
「オレ、ロールキャベツ好きっ!」
「うん!なら今日はリゾットと昨日のオニオンスープでいいね。まずはリゾットから」
アキ君は元気がなくて、どうしたらいいんだろう。何か、何かないかな……。
「アキ君、お米研げる?」
「はい、出来ます」
「お願いしていい?」
「はい!」
「明は、キャベツ洗って?」
「はーい!」
2人は嫌な顔せずやってくれた。
手伝ってくれたおかげで、思ったより早く出来上がってしまった。その頃には少し小腹が空いて、コーンフレークがあったから、すぐ出来るスコーンを作った。
「優紀さんって、本当に何でも作れるんですね」
「何でもって訳じゃないよ。まだまだ練習中」
「俺も、こんなふうに作れるかなぁ……」
「出来るよ。不器用な僕でさえ、出来たんだからね。アキ君は器用だから、きっと直ぐに上手くなる。僕なんかね、最初1番簡単なスパゲティーでさえ作れなかったんだから」
「ぇ……」
「説明書通りに作ったんだけど、麺が伸びたりしてね……悲惨だったな……」
「そうなんですか?そんなふうには見えない……」
「ほんとだよ。ここまで作れるようになったのは、お父さんのおかげでもあるんだ」
「へぇ!どんなお父さんだったんですか?」
「ん……」
お父さん……か。
なんて説明しようかなぁ。
「優しい人だったよ。弟たちはお父さんのこと、すごく尊敬してた。僕も、好きだったな」
「そうなんですね!へぇ……」
確かに、怖かったけど嫌いにはなれなかった。
「さ、デザートでも作ろうかな!」
「ママ、今日はなに?」
「んー、今日は最後だから、ケーキにしよっか。ね?」
「「ケーキぃ!!」」
「何ケーキがすき?」
「優紀さんが作るならなんでも」
「チョコ!」
「わかった。チョコケーキとショートケーキにしよう。無難だよね」
「やった!」
「やったね、明君」
ケーキを作ってると、裕二さんとレイヤ君が戻ってきた。
2人とも、ちょっと落ち込んでる?
「残念だけど、出口はやっぱりなかったよ……」
「“?”の扉も、開かなかったです……」
「そっか……」
「でも、きっと大丈夫だよ……いい知らせかも知れないし」
僕の声は、震えていなかったかな。
アキ君は今にも泣きだしそうで、見てるこっちが辛かった。
こんな時、頼りになるのはやっぱり恋人であるレイヤ君で。
「ケーキ作りは僕に任せて!皆はテーブルで待っててね」
「よろしくお願いします」
「はーい」
全部頼って欲しいなんて、思ってはない……けど、なんだろう。このモヤモヤは。
「出来たよ。デザートは最後ね!」
「それじゃあ、頂きますっ」
「「「「頂きますっ」」」」
、 、 、
夕食も終盤を迎え、ケーキを持ってこようとした時、また紙が落ちてきた。
「残り9時間……」
「っ……くそ、何なんだよッ」
「れ、レイヤっ!」
「だって、訳わかんないだろッ……何なんだよ残り時間とか、こんな不安を煽るような書き方すんじゃねぇよっ」
「…………っ、」
せめて、今の時間が分かれば……。
「とりあえず、甘いもの食べて落ち着こう?正直に言うと、僕も結構怖いんだ。でも、僕はこの5人でいれば大丈夫な気がするって思う。絶対、無事に帰れる方法があるはず。ね?」
「すみません、取り乱したりして」
「大丈夫だよ。よし、ケーキ取ってくる」
ケーキを食べて、心を落ち着かせて、そしてリラックスするために順番にお風呂に入った。
もう寝るだけになったけど、不安は取れなくて、皆まだ起きていた。
ヒラ……
ヒラ……
ヒラ……
残り9時間を区切りに、1時間ごとに紙が落ちてくる。
心臓の音はだんだんやはくなっていって、遂に、残り1時間になった。
それからは、5分ごとに紙が落ちてくる。
アキ君はとうとう泣き出してしまい、レイヤ君に宥めてもらっていた。
僕も、怖くて怖くてどうしようもなくて、裕二さんと明の手を握っていた。
バンッ
「「ひぃっ……!!」」
堪らず僕とアキ君が悲鳴を漏らすと、寝室と“?”のドアが開いた。
そして、最後の紙が、ヒラリと落ちていった。
『2日間、お疲れさまでした。開かれた扉に入ると、元の世界に戻れます』
「ゃ……やった……」
「~っ!!戻れるっ」
僕とアキ君は抱き合って喜んだ。
そして、またあえる日までと挨拶して、アキ君とレイヤ君から、扉に入っていった。
「俺たちも、戻ろう」
「「うんっ」」
~Fin~
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
448 / 558