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32話
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夜、すっかり暗くなった空
あれから、電車で来たことないところで降りて今はとぼとぼと歩いている
もう、なにも考える気が起きなくて
すれ違う人たちが全てピエロの顔のように見えた
浩太「そこのお兄さん?」
それは公園を通りかかった時に聞こえた
声がした方を見ると、今まですれ違ったピエロのような顔ではなく
俺を見て楽しんでる
そんな風に見えて
俺はなぜかこいつのそばに近寄ってる
話そうとしている
このときだけ、今まで冷めた気持ちがこいつにだけ戻ったような気がした
浩太「僕は浩太、唯さんはなにに怖がってるの?」
俺が怖がってる?
人に?感情に?自分に?
唯「俺は………全てが怖い」
浩太「そっか、ならなんで生きてるの?」
それは、俺でも不思議に思った
全てが怖いのになんで、生きてんだろう
唯「わからない」
浩太「分からない、でも、怖いだから『自分に冷めた』」
唯「っ!!」
自分に?
俺は俺のことをあんな風に思ってるやつらに冷めてるだけだ
俺じゃない
浩太「唯さんはずるいよね、だって人のせいにしてるもん」
していない、
浩太「僕はどんな内容か知らないよ?でも、唯さんが自分で言ってるんだもんさっきから」
言ってる?俺はさっきから言ってる?
どこで?
浩太「唯さん、僕の話聞いてるときまるで「そうだよ、」
って、悲しい顔で言ってるよ僕に」
唯「俺は……なにが怖い?全てなのか?」
浩太「そんなこと知らないよ、でも、僕からみたら自分を押し殺しているようにしか見えない」
押し殺す
俺はどんな…………
浩太「だから、本当の自分を出したら?本音を話したら?唯さんの周りは敵ばかりじゃないよ?だから、話せたら出せたら、また僕の所においでよ♪唯さんは面白いから♪」
俺が自分で押さえてその事に冷めてた
なんでこんなことをしたのか
そんなことをしてなにになるか
俺は逃げすぎたんだ
帰らないと
唯「浩太、ありがとう、また来る」
浩太「うん、来なよいつでも」
謝らないと田口くんと聖夜に
そして自分に………
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