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過去編です6
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真っ白な病室の中、優はもぬけの殻のように…壊れきってた
小学校五年生の少年には耐えきれなかった悲しみ
大切な人が居なくなるという、焦燥感
何度も、何度も自害を図った
俺が死ねば、悠斗ちゃんに会えるかもしれないという思いから
まだ、悠斗の命が小さく細い糸でつながっていることを聞かせられていなかった優
心の中には、死への執着しかなかった
ただ、死ぬためには何をすればいいかわからず、首を絞め用とした
紐で縛り上げてみようともした
屋上に言ってみようとした
だが、どれも防がれた
余計に悲しみに溺れていく優に秋は優しく告げた
まだ、確証が持てたわけではない
ただ、今の優には恐らく凄く希望になることを教えた
1歩間違えれば恐ろしいほどの、絶望になると知りながら
「優、悠斗さんはまだ生きてる」
「ぇっ、ほ…んと!?
ねえ!生きているの!!!????会わせて!!!僕と悠斗さんを会わせてよ!!!!!」
“生きている”この言葉を聞いた瞬間優の目にやっと光がともった
「ただ、悠斗さんは目覚めていない
それでもいいのかな?」
「いいよ!!!僕がおっきくなってきっと目覚めさせてみる!!!!僕が!!!僕を救ってくれた悠斗ちゃんを救うんだ!!!」
力いっぱい叫んだ優を落ち着かせ悠斗の病室まで連れてきてあげた
「ぁ…悠斗ちゃん、っ……悠斗ちゃんが、生きてる……」
静かに嗚咽を上げながら泣き始めた優の背中を優しくさすった秋は優をつれ、病室に戻った
「悠斗さんを刺したあいつは捕まった
ただ、3年後には出てくる
あいつも記憶が抜けているようで、優のことを覚えてないらしい」
目の前で秋が様々なことを説明してくれた
あの少年が捕まったこと
悠斗ちゃんはいつ目覚めるのかはわかっていないこと
もう、心配はいらないこと
それと、悠斗ちゃんの回復を望んで病院を、移動することが決まったこと
それに伴い、俺の家も秋の家も引っ越すこと
様々なことが一気におこり、俺は小学校にはもう行かなかった
むしろ、行けなかった
ずっと、家で秋と過ごしていた
あの時期忙しかった、新にぃや姉ちゃんもずっと付き添ってくれた
おかげで、中学までには復活できていた
何かを埋めるように、ハマっていったBL
この命を大切に、という意識と悠斗ちゃんへの淡い恋心
それと同時に、自分が生きていることのザイアクカンも感じたが、これは誰にも話さなかった
中学を無事に過ごし、男子校への編入を決意
そして、今に至るのだ
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