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伊吹side
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「はぁ…」
どうやったら京佑を取り戻せるのか…。
「なんやねん、辛気くさい」
誰もいないと思っていたオフィスに声がしてビクッと震えた。
「なんだ、レオ、いたの…?」
「いるっつーの。お前が来たときからな。なしたん?空気が重いで?」
こいつは共同経営者の木崎礼於(きざき れお)。
少し、おせっかいだが仕事は出来る。
「んー。どうしたら京佑が戻ってきてくれるか思案中」
「あぁ、京佑ってお前がここ誘う前に逃げられたっていうやつ?」
「うっせぇ」
逃げられて悪かったな。
悪態をつき、パソコンに向かった。
「まぁまぁ、あせらんでも気長にやってけばえーやん。ここまで六年もかかってんねん。もう少しくらい頑張れるやろ」
頑張ろうと思えば頑張るさ。
けど残された時間は少ない。
もう八方塞がりなんだよ…。
「…これから増田様のとこ行くけどお前も来るか?気分転換にはなるやろ?」
増田様か…。
あそこ、わんこいたよな…。
わんこに癒してもらうかなぁ。
「…行く」
「よっし、んじゃ行くで」
俺たちは荷物を抱え、オフィスを出た。
「こっから近いから歩きでもえーよな?」
「あぁ。もちろん。しっかし、俺は荷物持ちに駆り出されたとしか思えん」
近いとしてもこんな荷物を一人で持っていこうとしていたのか…。
まんまと上手く乗せられた気がする。
「まぁまぁ、えーやん。暇やったやろろ?」
「そーだけ、ど…」
気にしない気にしないとお気楽なレオの奥に見覚えのある人物が歩いていた。
京佑の婚約者だ。
彼女は結婚式までの間、仕事を休んでるらしいがこんなとこで打ち合わせか?と思ってたら一緒にいた男と公衆の面前でキスをし、腕をからめている。
そんな光景をぼーっと見ていたらこんな昼間からでもやっている俺の行きつけでもあるバーへと消えていった。
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