アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Episode62
-
“信じたいんでしょ?”
突如聞こえた声。
でもその声は小さく響いていて、どこからかなんて特定出来ない。
まず、僕の周りに人はいない。
“縋りたいんでしょ?”
“分かるよ。信じたいけど、裏切られるのが嫌なんだよね?”
“大丈夫。今君の頭に浮かんだ人は、きっと君を助けてくれるよ。君の人生を、180度変えてくれる。”
暗示の様に、綺麗事ばかり連ねていくその声。
「僕の何が分かるの…」
“分かるよ。だって僕は君だから。
君の考えている事は、全部分かるよ。”
幼い声は、昔の僕の声みたい。
懐かしくて、でも怖くて。
昔の僕を思い出す度、お父様からの暴力を思い出す。
怖い。
“もうお父様はいないよ。周りをみてごらん?
心で、よく見るんだよ。”
“君が感じている程、周りは敵ばかりじゃないよ。”
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
65 / 143