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Episode84
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…しん、と静まり返った病室。
スケッチブックを眺め続ける櫻井。
もう、諦めかけた頃だった。
「…やっと、助けを求めてくれたのね。」
頭上から聞こえた声は、柔らかいものだった。
顔を上げると、目を潤ませた櫻井。
「正直、貴方はもう人を信じられなくなってしまったのかと思っていたのよ。
…でも、良かった…」
身体がそっと包み込まれた。
これが、「信じる」って事、なんだね。
人を、信じられたんだ…。
それだけで、涙が溢れた。
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