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佐伯日向の非日常
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その日一日 日向は俊平を避け続けた。
休み時間になるたび用事もないのに教室をでた。今は昼休み、図書室に引きこもっている。
(図書室なんて一生 来ない所だと思ってたんだけどなぁ・・・・)
俊平が行きそうにない所が図書室しか思いつかなかったのだ。図書室に来たからには本を読もうと思ったのだが、選んだ本が面白くなく、一番最初のページを開いて机に置いたままボーっとする。
すると突然声を掛けられる。
「珍しいね。図書室に日向がいるなんて。」
「祐斗・・・・・・・・・」
「どうかした?元気ないね。」
祐斗の言葉に図星をつかれ誤魔化そうとする。
「そうか? 俺超元気だぞ!
あー、この本が面白くねぇからかな。」
「何の本読んでるの?」
祐斗は日向の前にある本をとって表紙をみる。そこには『哲学の理論』と書かれていた。
「ぶはっ!日向こんなの読んでるの?」
祐斗は思わず吹き出した。その後もクスクスと笑っている。
「っ!笑うなよ!
適当に取ったのがそれだったんだよ!」
「適当 過ぎるでしょ。」
普段なら図書室と無縁の日向が読んでいる本が予想外のもので笑いが止まらない。
「はぁ・・・もう、日向 面白すぎ。
俺が面白いの紹介してあげるよ。」
「えーーーもういいよ。
俺に本は向かないってわかった。」
「そんなことないよ。ほら、こっち。」
祐斗に連れられて渋々ついていく日向だった。
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