アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
隙を魅せて。8
-
「心咲さん…」
ゆっくりと自身を抜く。すると中に出した白濁が線を引く。
「……」
「み、さきさん?」
「………」
「心咲さん」
「………」
「………、ごめん」
「……い」
「え?」
「お前は悪くない…俺が勝手に抱かれただけだから」
「っ違っ!俺が無理やりしよーとしたから!アンタは悪くない!」
「それより…シャワー貸してくれ」
「っ手伝う」
「いい、俺に触るな」
「っ……」
心咲の肩に触れようとすると思いきり払いのけられる
そして浴室に続く扉の向こうに消えていく
「はは……完全に嫌われた」
馬鹿すぎて笑えてくるぜ、たく……
壁を思いきり殴りつける。
─────────────…
**
「……」
シャワーのコックを捻るとまだ冷たい水を頭からかぶる
「なんで俺…」
なんで俺…西園寺に昔のこと話したんだろう
気の迷いか、それともそれほどまでに精神的にきていたのだろうか
試行錯誤するも結果なんか分からず仕舞いだ
『心咲さん…愛してる』
「誰にでも言ってんだろどうせ、見栄空いた嘘だな…」
簡単に口から出るものは信じられない、当たり前だろ
そいつの経験が目に見えてるんだから。
分かっていたのに抱かれたのは俺のほう。
だから悪いのはお前じゃねーんだよ西園寺…
『ごめん』
謝らなくていい。出たらまた言わないとな
「くそっ!」
どうしたいんだよ俺…
「……なんなんだよ」
****
「っ…」
半場逃げるようにしてきた浴室
自分の家でもない
だからこそ困った。タオル、それに着るもの。
……うそだろ……
シャワーを浴びながらしゃがみこみ悶絶する
諦めモードで浴室の扉をあけるとバスタオルと衣服が棚に置かれていた
「マメだな…」
───────────…
置いてあった服に着替えるとリビングへと続く扉を開ける
そこに類の姿は見えない
「……?さいお…」
「日向先生」
「っ!?」
ソファのある辺りまでなんのけなしに進んでいると急に後ろから声をかけられ驚きで目を見開く
「な、なんだよ」
「服、洗わせて貰ってるんで乾くまで俺ので我慢して下さいね…」
「……いや、すまない」
「いえ…それとご飯作ったのでよかったらこの間に食べて下さい」
「え、ありがとう」
「いえ…」
「お前は食べたのか?ご飯」
「俺は…後で食べるので大丈夫です。なので、先生はゆっくりしてて下さい」
ニッコリと嘘のように完璧な笑顔を見せる類に気分が落ち着かないでいる心咲は眉間に皺を寄せる
「じゃあ、食べたら流しに置いといて下さい。それと服はあと数十分で止まるので止まったら…」
「お、おい!」
「なんですか?」
こ、こいつ……
「なんで、生徒会長の目線で喋ってんだよ…気持ち悪い」
「別に…的確に伝わるのでいいでしょう?」
「そーだけど、他人行儀みたいな…知ってんのに今更そんなことしなくても…」
「他人ですよ、俺たち…」
「っ」
なんだ、これ……なんで動揺してんだろ
異様に心臓の音が耳元で聞こえる
「それ以上でもそれ以下でもないでしょう」
「っいや、先生生徒は他人ではないだろ…そ、それに…」
「なにが言いたいんですか?あー、成る程」
「っ」
「無理矢理抱いてしまってすいませんでした」
「だから、それは俺が悪かったんだって」
「なら、一体なにが言いたいんですか?貴方さっきからおかしいですよ」
「……そんなの、俺がしりてーよ」
「はぁ…なんでもいいです。取り敢えず俺部屋に居るんでなにかあったら言って下さい…別に勝手に帰ってもらっても構いませんから」
「西園寺…!」
「なんです?」
ドアノブを捻り数センチ開けたところで振り返る
「これだけは言っとくけど…悪いのはお前じゃないから!」
「……俺ですよ」
そう呟くと扉に消えていく
見えた表情は一瞬だけ悲しげだった気がするがそれにあえて目を逸らす
「なんでこんなにスッキリしねんだ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 56