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依頼の仕事
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「逢坂さんですね、先程は失礼致しました!
今担当者が参りますので少々お待ちください!!」
クールビズの涼しげなシャツに身を包んだ中年の男が放射状に小さな穴のあいた窓の向こうで、汗まみれの顔に満面の笑身を浮かべて俺に笑いかける。
あ……、日本最高峰の大学なのに、受付は冷房完備じゃねえんだ、すっげえ汗かいてんだけど……、。
一人そんなことを涼しく思いながら、そのおじさんに渡された緑のストラップの"関係者"と書かれたネームタグを首にかけずに、ビリッビリに破けたダメージジーンズのポケットに押し込んだ。
ーー……さっき、かの有名なあの赤門をくぐり抜けて初めて校舎内へと入り、そしてその校舎が意外にもフツーな事に驚いた。
誰もが一度は見た事があるような赤いレンガの校舎も、敷地に生える木々も、空気も……そして、そこを歩く人々も、全てが思ったよりフツウ。
何もかもが家の近所の公園と同じような気がして、なんだかそれが逆に新鮮に思っちゃったりしたりして。
気づいたらいつもの癖で、バシャバシャとその風景をファインダーの中におさめていて、…
それが警備員に不審者扱い。
んで、ここに連れてこられて、今に至るのだ。
窓ガラスの上には、大きく書かれた"総合受付"の文字。
……職業柄、不審者扱いされるのも、後ろ指さされるのも、奇妙な目を向けられるのも、もう慣れた。
俺的にも結果的にはここに来たかったわけだし、……まぁ、よかったってところだ。
ーーーーー…………つーか…それにしてもこのおっちゃん、いい顔してんなぁ……。
……汗だくで、なのに笑顔で。……なんつーか、今の日本を体現してるよね、。
……しかも、かの有名な帝都大の受付さんが…。
「、あの、一枚、撮らせてもらっていいっすか、?」
「……っえ?!?!はっ…?!?!っ私をですか?!?!っ」
すでにカメラを構えた状態でそう聞くと、受付のおっちゃんはものすごい驚いた顔で身を乗り出して驚く。
お、…いい顔。
カシャカシャカシャーーッ
「……っちょっと逢坂さんっ…っ!!私なんて撮っても……!!」
「ん?なんですかー? さっきの笑顔下さい、 あれいい顔だったんで、。」
カシャカシャーーーーー
「え、、あ…、こんな感じですか、?!:」
ニィーーーーーっと受付のおっちゃんの顔が驚きから笑顔へと変わっていく。
「あーーーー、イイっすね、!もっと口開けて、歯、見せて、ニィーーー!」
「ニィーーーーーー……?」
「ーーーーーーーーーーーーーー……ちょっと、逢坂さん、……何やってるんですか。」
急に後ろからそんな落ち着いた声がしてハッと振り向くと、そこには白衣を身にまとった白髪のダンディーな人がいた。
すると俺の視界の隅でさっきの汗だくの受付のおっちゃんが「さ、酒井教授…っ!!お疲れ様です!!!!」と、慌てて深く頭を下げたのが分かる。
ーーー…酒井……?…って、あ、、
「もしかして、」
「紹介が遅れましたね、。私は、今回の担当者になっております、理科二類教授の酒井と申します。」
酒井さんというその白髪の人はそうニコッと笑って俺に沢山の肩書きが書かれた名刺を渡した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……
ーーーーーーーーーーー…………
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