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すれ違う心
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あれから何日か経ったが、福チャンと話していないどころか目を合わせていない。
部活には参加しているものの、あんなに福チャン福チャン言ってた俺が少しも話さないのを見て、周りの奴らも不審がってるようだ。
「荒北、今日のメニューだが…」
福チャンは俺が話しかけなくても、何とも思っていないみたいだな…。
なんも聞いてこねェ。
『好きなヤツと共に走りたいという願いがあったからだ』
嘘ついたのかよォ、福チャン…。
「タイムはボードに書いておいてくれ」
俺のメニューだけ言うと福チャンは泉田のところへ行った。
俺は福チャンが言ったメニューをやるだけやって帰るだけだ。
いつも以上にピリピリした雰囲気を纏っているからか、誰も俺に話しかけてこない。
「聞いてくれんかー?荒北ぁー!」
こいつを除いては…。
「…東堂」
「さっきから巻ちゃんに10回は電話しているのに切られてしまうんだ…」
「シラネェヨ」
「荒北…何があったんだ?お前がそんなんだから、最近部活内の空気が悪いのだ」
「俺のせいじゃネェ」
「じゃあフクのせいか?」
「……は?なんで、おまえ…」
「はっはっは!この山神に見抜けんことなどないのだよ!おおよそフクと何かあったのだろう?あいつは鉄仮面だからどう思ってるかわからないが、タイムが最近落ちているんだ」
くだらねぇ…。
「だからフクだって気にして…おい!どこへ行く!?荒北!」
「れんしゅー」
んなわけねぇだろ。
福チャンは俺のこと恋人として見てねぇんだヨォ。
俺はこんなにも…
福チャンのことが好きなのに…。
「くっっそぉぉぉぉ!どけヨォ、オラぁぁぁぁぁ!!!」
何も考えたくなかった。
ひたすら走った。
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