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追い出しレース後
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「くっそ…あいつらに負けるなんてなぁ… 」
そうは言うものの、俺はどこか清々しい気分だった。
「あいつらは必ず来年のインターハイで王者復活を果たすだろう」
福チャンも満足げだ。
「しっかし、さっきの泉田の言葉は効いたよなァ…俺ら弱いってヨォ」
「ああ、そうだ…だから来年は勝つ。俺達よりも強いやつらが走るんだからな」
「そーだネェ」
高台から箱根の街を見下ろしているおれたちに暖かい風が吹く。
「荒北」
「ん?」
「俺達は卒業したら別々の道に進むだろう」
「そーだネェ」
卒業…そうか、大学は別なんだよなァ。
「だが、荒北…俺はこれからもお前の隣にいたい」
そう言うと福チャンは俺に向き合った。
「無理にとは言わない…だが、俺は…」
「福チャン」
俺だって同じ気持ちだ。
「俺が好きなのは福チャンだよ、これからもずっと…だからずっと隣にいてください」
福チャンとなら離れてても大丈夫。
また一緒に走りに行くし、遊びにも行く。
きっと喧嘩もするだろうけど必ず仲直りする。
この先も2人で一緒にいよう。
福チャン。
「ああ、もちろんだ、靖友」
そう言って笑った福チャンの顔は今まで見た中で最高の笑顔だった。
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