アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7
-
次の日。
颯先輩の委員会が終わるのを待っていた海斗。
僕はそんな海斗を見つめながら、息を潜め、その時をまっていた。
すると。
「海斗! 遅くなってゴメン!」
颯先輩が、廊下をパタパタと走ってきた。
・・・幸せそうな顔しちゃって。
そんな表情、今から僕が壊してあげるから・・・。
苦痛で歪む顔を想像するだけで笑いがこみ上げてくる。
きっと、綺麗な表情なんだろうな。
そう思うだけで、胸の痛みが和らいだ。
やっぱり僕は、これしか幸せになれる方法はないんだな、なんて考えが浮かぶ。
狂ってることなんて、わかってるよ。
一番、自分がよくわかってる。
でも、止められないんだよ。
ごめんね、海斗。
ごめんなさい、颯先輩。
僕は心で謝りながら、颯先輩の背後に近づいた。
あとちょっとで、先輩の背に手が触れる。
すると、
「っ・・・!」
颯先輩の腰を抱いて嬉しそうに歩く、海斗の姿。
僕には届かない、夢のような空間。
幸せそうな、大好きな海斗の笑顔。
窓際でみた光景がフラッシュバックした。
そしてその途端、自分のやっていることが、なんだかばかばかしく思えた。
・・・なにをやってるんだ、僕は・・・
海斗の幸せを崩すことが、本当に僕の幸せになるのか・・・?
違うだろ。
「・・・」
僕は、ゆっくりと腕を下ろした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 13