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宮城先輩
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『君はマリアなのかい?』
俺はゴクリと唾を飲む。
そして
「………貴方、名前は?
どうして、ここへと迷い込んできたのかしら。」
慎重に、慎重に、相手に探りを入れる。
今まで何度もこう言った事はあった。
その経験から、相手によっては丸め込める事が出来るかもしれないと判断して声を掛ける。
「俺の声に聞き覚えないかな?珍しいお姫様だね。」
落ち着け。
「…そちらこそ。珍しい方が来たものね。
演劇部の方は放っておいても構わないのかしら」
落ち着け…………
柔らかな優しい声に、
胸の高鳴りを抑えられなかった。
理由は沢山ある。
久々に演技が出来ること。
高校生活が始まって初めて誰かと話をした事。
その相手は先程、壇上で王子役を演じていた
宮城先輩だったこと。
「宮城先輩………」
今まで沢山の子役や俳優と演技を重ねてきたが、彼にはそれが比にならない魅力があった。
人を惹きつけ、決して離さない。
先程の劇で姫役だった役者が
王子ではなく、宮城先輩に恋をしていたように。
俺も宮城先輩を一目見た時から
恋に、落ちていたのだ。
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