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帰宅部の朝練
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その後何度も話し掛けてくれたが、結局俺がその声に応える事は無かった。
宮城先輩に恋をしたことも、放課後にたまたま話した事も、マリアが男だと知られたら幻滅されることも、全部全部忘れてしまって何も知らないままの自分に戻りたい。
風呂から出た俺は、今日の事を全て忘れてしまえたらいいのに、と溜息をついてベッドに入る。
眠れないかもしれないと思っていたが、不思議と眠りにつくのは早かった。
次の日の朝。
俺は珍しく早く起きて、運動部の朝練が開始される時間に登校した。
“原則、朝練は運動部のみ”
と言う都合のいい風習があるらしく、演劇部には朝練がない。
俺は昨日と同じく、今度は邪魔…と言っても嬉しい邪魔だったが、歌の邪魔に変わりはない。
宮城先輩の事を気にせずに伸び伸びと歌う為、昨日と同じ、第二視聴覚室の扉を開ける。
「あれ、君。どうしたの?」
「…宮城、先輩?」
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