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監禁生活。--凶夢--
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ーーー『功太ぁ、僕の功太ぁ。離さないよ?...ははっ、あはは...あはははははっ!!!』
『嫌だっ....誰かっ、助けて...!』
蒼の手に握られたナイフが
光に照らされたように光り視界の中で揺れる
全速力で駆け出した功太は
暗闇の中で必死に逃げる
狂ったように笑いながら響く声が
身体に絡む
どこまでも続く闇の中
走り続けてもその声は絶えない
『ねぇ、何で逃げるの?君は僕からは逃げられないんだよ、分かってるでしょ?』
笑いを含んだ声がそう呟くと同時に
追っていたはずの蒼が目の前に現れた
『っ!』
『ほーら、捕まえたっ♩』
狂気に歪んだ笑みが功太の目に映る
『ひっ..!嫌だっ、触んな!』
突如として現れた蒼に腕を掴まれ
振りほどこうとするが敵わない
そんな功太の前に現れたのはーー
『....理樹っ...理樹、助けて!』
悲しげな顔でこっちを見る理樹の姿だった
でも理樹は動かない
ただ見ているだけ
『何で...っ、理樹...?助けて、助けてよ...俺を、ここからーーー』
『そんな事させないよ?』
理樹の方へ伸ばした手を蒼に掴まれる
『君は僕のものだって言ったでしょう?...そう、この腕もーー』
腕に激痛が走り、電気に貫かれたように
鋭い痛みが身体を駆け抜ける
『う”ぁぁ”あ”ぁぁっ!!!』
激痛に悶え、悲鳴を上げた功太を
蒼は高らかに笑い見下ろす
腕を切られたと分かるまでに
時間は要さなかった
血が滴る腕に感覚はない
『功太が悪いんだよ?痛いのは嫌??嫌だよね?ははっ、あはははははははっ!!!』
怖い
こんな事もう耐えられない
『...え?もうこんな事は嫌?そっか、じゃあこうするしかないね...』
心の声のはずが
何故か蒼に聞き取られていた
ガタガタを震える功太に見せつけるように
側に立つ理樹を引き寄せる
無言のまま理樹の腹部にナイフを突き刺した
だけど理樹は何も言わない
刺された箇所から血が溢れ出していく
そん、な....
功太の目が見開かれ絶望に色を濁す
吐血して倒れ込む理樹
そんな、嫌だ、嫌だ...
『嫌だっ、理樹!理樹ぃ!!!!!ダメだ、死んだら、死んじゃ...嫌だ...っ、』
動かない理樹を揺さぶる
『お前が欲しいのは俺なんだろっ!?..何で、何で理樹を...っ、何でもするからっ、何でも言う事聞くからっ....理樹には何もするな...っ、』
怒りを込めた目に涙を浮かべ
蒼を睨みつける
『そうこなくっちゃ♩もちろん、僕が欲しいのは功太だけだよ。大好き、大好きだよ』
蒼は功太に近寄り抱き締める
こんなの望んでいない
俺はただ、
”好きな人”を守りたい
ただそれだけなんだ
それだけなんだ....
いつの間にか理樹はいなくなっていた
蒼は抱きしめた功太の顔を覗く
涙を流し、正気のない目に微笑むと
おもむろに首に両手を掛ける
微笑んだまま無言で功太の首を絞めた
『...っ”....かは...ぁ”...』
もう抵抗する気も起きない
死ぬなら死ぬで
それでいい...
振りほどくこともない功太の手は
だらん、と垂れ下がり
息のできない苦しさに顔を歪めるだけだった
俺は...
蒼のもの....
意識が薄れていく中で見たはずの蒼の顔は
暗闇に溶けてよく分からなかった
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