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監視(ミ)られている、傍観(み)られている 2
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昼の休憩時間、俺は人目に着きにくい隅の方で例の小包を開けた。
「!」
思わずまた床に叩き落としてしまう。
箱を半分近く埋めているのは俺の隠し撮り。それと、茶封筒と小さめの箱が数個入っていた。
「うぇっ……」
「壱?」
「っ!?」
「どーしたの?顔色悪いぞ」
「大丈夫ッスよ」
「水蘭田君、さっきの荷物…開けたの?」
「………はい」
「差し支え無ければ……教えて欲しいな」
「スンマセン……」
それだけ言って、トイレに駆け込んだ。
吐き気は止まらないが、吐き出すものは殆んど無いけども、無理矢理にでも吐き出したかった。
「水蘭田君!」
「来るなっ!」
「!」
入り口で固まっているマネージャー。
俺は何とかして一人になろうとした。
「すみませ……ちょっと放っといてください」
「あ、あぁ」
「壱、さっきの荷物……」
「……見たのか」
「いや?無用心に床に置いてあったぞ」
「あー……うん」
誰かに見られる前に何処かに捨てなければ。職場にまで送り付けてくるって……
「壱?」
「なんスか」
「真っ青だけど…今日は帰ったら?」
「いや、アンタの殺陣指導が中途半端だ」
「それは明日でも」
「ただでさえヘタクソなお前に言われても、サボりたい言い訳にしか聞こえない」
突っぱねると、主役が俺の肩を掴んで勢いよく壁に押し付けた。
「っ…」
「せっかく俺が心配してやってるのに、大人しく帰れよ」
「……あんまり肩押さないでくれる。指導に響く」
「仕事脳が」
「それはどうも」
トイレの壁に押し付けられるって最悪だ。
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