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主夫力
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「人聞きの悪い事言わないでよね
ちょっと用があったから戻ってきただけよ」
ふんっと偉そうに俺を見下ろす姉
そう…この姉はモデル体型というやつなのか、細くて縦にでかい
170ある俺の+10㎝というのだからふざけた話だ。外に一緒に出掛けるときなんかはそれ以上差をつけられて、ものすっごくみじめな思いを何度したことか……
確かに美人だが、家事が全くできないこのねぇちゃんをどうして遼佑さんが娶る気になったのかがさっぱりわからん。
「あ、お母さん仕事が長引きそうだから適当につくって食べといてってことだから晩御飯ヨロシク~
なんならケイくんも一緒に食べる?」
はぁっ?!
「マジかよ
つか主婦なんだから料理の練習でもしろよねぇちゃん!」
それと自分で作る気ねぇのに、魔王様を誘うんじゃねぇ!
確かにねぇちゃんの料理は食えたもんじゃないから俺が作るけどさ…
昔の話だが、ねぇちゃんはカレー作ってたはずなのに甘酸っぱい何かが出てきた時はもう才能だと思ったほどだ。
「実家に帰った時くらい楽させてよ
あんたの主夫力だけは認めてるんだから」
何が主夫力だ!ねぇちゃんの料理が下手過ぎるから俺が食えるもん作ってるだけじゃねぇか!
まぁ自分でも料理スキルは着実に上がってると思うけど…
(
幼いながらに自分が作れるようにならないと、母さんがいない日が自分の命日になると本気で思ったから)
ギャイギャイと兄弟げんか?してたら、圭太が今日は遠慮しとくって口を挟んできた。
珍しいな…ほとんど食事の誘いを断らない魔王様が…
魔王様、ただいま一人暮らし真っ最中でよく家にご飯を御呼ばれしていくのだ。
「お前よりうまい店見つけたからな
せいぜい主夫力あげとけ 猿」
姉のいなくなった玄関先で、そんなことを言って颯爽と出ていきやがった。
店と比べんじゃねぇよ!あと猿ってなんだ!!
誰もいない玄関で、声にならない怒りがまた溜まった。
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