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冷たくて熱い
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自由になった身体で簡単に身支度を整えた。
シャツは…丸めてカバンの中に放り込んだ。Tシャツにブレザーという変な格好だが、気にしてはいられない。
「……そんなに…
そんなに俺が嫌いならそう言えよ
わざわざこんな嫌がらせしなくたってもう近づかねぇよ!」
直接顔を見て言う勇気はなくて…
また溢れそうになる涙をグッとこらえて部屋を走り出た。
初めてローファーの踵がつぶれるのを足裏で感じ取った。
そしていかにも金のありそうなマンションのドアノブに手をかけたとき、後ろからドンッと両手が顔の横に伸びてきた。
「誰が嫌いつったよ
頭だけじゃなくて耳も馬鹿なんだな」
お…怒ってる
頭の芯まで冷えるような冷たい声
けどその声とは対照的に背中は圭太の体温を熱いくらいに感じ取っていた。
逃げ道を完全に塞ぐかのようにドアとの間に挟まれ、左は腕が逃げ道を塞ぎ、ノブを掴んでいた手は圭太の手に絡めとられてドアに押し付けられた。
「じゃ、じゃあどうしてあんなことしたんだよ!
ムカつくムカつくって言いながら
嫌がらせ以外に何があんだよ!」
今の今まで堪えていた涙が溢れ出た。
そして盛大なため息が後ろから聞こえた。
圭太はウザい奴だし、魔王様だ。けどそれでも今までずっと一緒に居たのに…
一体何なんだよ………!
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