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プチ・スイーツパラダイス
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「……好きだからこそだよ
意外とさ…思っていた以上に…大切なんだ…」
猫かぶりだし、意地悪で人のこと馬鹿にするし、いちいち怒るし、我がままばっかだし、人が隠し事すると怒るくせに自分は平気で隠し事するし…
それでも…
ちゃんといいとこがあるからこうやって今まで付き合ってきたわけで…
たぶんそれも全部ひっくるめて好きだと…大切だと思ってしまうんだよ…
だから…
「悪い…
浩介にはいっぱい相談に乗ってもらってるし、愚痴だって山程聞いてもらってるけど、最後は俺と圭太の問題だから」
そばにいたいんだ
今は女避けもあって結構べったりとした距離感だけど、大人になってもくだらない事でも連絡とりあったりするような仲のいい間柄でありたいと思う
「……ごめん…
てっきり気持ちさえ通じればくっつくもんやと思っててな……
あ!ほんでな!ここへ来たのはこれ作ってきてん」
無理やり空気を変えてくれた浩介に心の中で謝りつつ、出してくれた箱を見た。
開かれた箱からは綺麗にデコレーションされたケーキが入っていた。
「おぉ!さすがパティシエの息子!
店に並んでるやつみたい!」
フルーツタルトにチョコケーキ、ムースのケーキ(?)が小さめの箱の中に鎮座していた。
「やろ?!
今回の自信作やねん」
へヘン!と得意げに笑う浩介に飲み物のリクエストを聞いて用意する。
「美味い!」
一口ずつ口に放り込む。フルーツの酸味とクリームの甘味、濃厚でビターなチョコクリームに、ふんわりとしたムースにフルーツピュレが見事にマッチングしている。
「やろ?!やろ!
でもな、原価が高くなりすぎるからって店に出すのはダメ言われてん」
そう言いながらシュンと肩を落としてコーヒーに口をつけた。
なるほど…
新作作るのも難しいもんなんだな…
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