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異変
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「っ!?永嶋!?」
「ぁぁぁ゛あ、ぁぁぁっ」
何てことしちまったんだ俺は…
永嶋はいきなり叫び声をあげて大きく暴れだした
俺が上から退いても異変は止まることはなく部屋の隅で縮こまり力強く自分を抱き締めていた
俺が少しでも近づこうものなら
「ひっ」
と、怯えた声が発せられる
全部自分のせいだ
それはわかりきっている
家に行きたいと言ったのも自分
二人きりの空間を作り出したのも自分
勝手に抑えがきかずに暴走したのも自分のせい
家に上がって飲み物を出してもらい少し飲んでから永嶋に目を向けたらあいつはどこか遠くを見るような目をしていて何かを考えてるみたいだった
永嶋は整っている顔のせいか妙に色気のある顔をしていたよくよく見ると男にしては少し細身な気もするし肌は日焼けをしたことがないのか白かった
男で白いのはどうかとか思うかもしれないが永嶋の場合その白肌が顔と絶妙の相性だった
俗に言う爽やか系なのだろう
好きなやつだからか尚更その顔に身体に触れたくなった
でも、欲に負けたらこのザマだ
「永嶋」
「やっ、こな、いでくださ…っ」
首をフルフルと振り続けて俺を拒絶した
話し方も敬語になってしまっている
「……本当に悪かった…」
深く頭を下げて「もうしない」と伝える
「や、だ…に、さん…っ」
「?」
「に、いさん…たす、けっ」
にいさん?
兄貴のことか?
「兄貴…呼ぶか…?」
もしかしたらこの状態の永嶋を落ち着かせられるかもしれないと聞いてみたが
「だ、だめ!迷惑…かかる…」
「迷惑って兄貴だろ?」
「だい、じょうぶ…大丈夫だから呼ばないで…!」
涙がポロポロと溢れ出てきてしまっている
本当に俺は最低だ
「悪い…」
「大丈…夫…も、う…平気…だから」
「平気じゃないだろ…本当に…ごめん…」
俺はその場で立ち上がる
「帰るな…」
俺はそのまま永嶋の家を後にした
正確に言えば逃げてしまった
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