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マイクのスイッチが入り、生徒らは
一瞬静まる。
「はい、新入生の皆さん、はじめまして!!
生徒会長兼、ミスター松三の織田陸です!」
「副会長と準ミスター松三の織田海……。」
「さぁ、お気づきの方も
いると思いますが、実は僕たちは
双子です!だからあの”縁起キス”は
無いです、ごめんなさい!」
陸がそう言うと新入生らはどよめき、
体育館内のテンションは一気に下がった。
”いや、これが普通じゃん”と空は思ったが、
次の会長の言葉であたりは
サッと静寂に包まれた。
「本当に無いとでもお思いですか?」
すると会長が副会長の顔を
覗き込んだかと思うと、
すぐ舌を絡めるキスをし始めた。
やらしい水音と、吐息の間から
漏れる副会長の艶やかな声が
マイク越しに聞こえてくる。
「ふっ……あっ…ん……。」
あんなに不良オーラを出していた海が、
今は陸にいいようにされている。
陸はさっきまでのさわやかな笑顔から一転して、
意地悪そうな顔でマイクに口を近づけた。
そしてドスのきいた声で呟いた。
「こいつ、俺のだから。」
その言葉が合図だったかのように、
意気消沈していた生徒らは歓喜の声をあげた。
”男同士の、それも、兄弟でなんて……。
でも……副会長に、なんかドキッとした……。”
「あれ、今おれ何考えてたんだろ……。」
周りが興奮しているなか、ボーっとしている空を、
4人の男が見ていた。
空自身はそんなことに気付くわけもなく、
生徒らの声と、ステージ上の二人を
ただ見ているだけだった。
入学式を終え、新入生たちは教室に戻る。
「あー、今年は良かったな!
きっと縁起が良くなるぜ!」
蓮たちが意気揚々と話している。
”この学校の「縁起キス」は俺だけ
知らなかったのかな……。”
空はそう思い、稔に話しかけた。
「なぁ、稔。ちょっとトイレに行かね?」
男子トイレに入り、さっそく用を足す。
どうやらここにいるのは空たちだけらしい。
「稔、さっきの縁起キスのこと、
お前知ってた?」
「あぁ、まあ。でも、
ただの噂だと思ってたからびっくりした。」
「だ、だよなー、
俺もびっくりしたもん。
それにしても、男同士のキスってあんな
感じなんだな…。初めて見た。」
”不良っぽい副会長が、
一瞬にして溶けそうになるような、
あの会長のキス……。
いったいどんな風なんだろ。”
「キスって、どんな感じなんだろね。」
空がボソッとつぶやくと、
突然稔は空の腕を引っ張り、壁に
押し当てた。そして、空の手は稔の手によって
拘束された。
お互いの顔が向かい合わせになる。
「空、そういえば体育館で副会長ばっかり
見てたよね。
キスが気になった?
だったら、
今俺としてみる?」
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