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双子が歩く方向に道がのびる。
他生徒が通らないような道から二人は
教室移動をする。
誰もいないのを確認して、陸が口を開いた。
「おい、お前。腰大丈夫か。」
「えぇ?何言ってんの、
別にいつも通りだよ。」
「そっかぁ?ならいいんだけどよ。」
”できるだけ分からないようにしてたのに、
気付くなんて……。陸、恐ろしい子……!”
「でも、珍しいな、お前が
授業にまる一日参加するなんて……。」
「あぁ、うん……。
さすがに”授業日数”という縛りには
かなわないからな。」
「だな。せっかく勉強できても
卒業できないんじゃ話になんねーよな。
結局、大学どこにすんだ?
やっぱ俺と同じでT京大にするだろ?
近いし、何かと便利だし。」
「んー…。
実はね、蔵本先生からK都大に
行ったらどうだって言われてさ。
K都大は先生の出身大学だし、
話を聞いてるうちになんか
行きたくなっちゃって……。
ちょっと遠いけどね。」
「そうか、K都大か…。
……なんか最近、お前妙に
蔵本先生とつるんでないか?」
「え、そんなことないと思うけど…。」
”やばいな、怒らせたかな…。”
すると陸が片手で海の両手を上に掴み、
壁に押さえつける。こういうときの
陸の力はとてつもなく強いため、
海は逃れられたことがない。
「ここに、海は俺のもんだって証、
つけとこうか……。」と言い、
陸は海の鎖骨を舌でなぞった。
「ん……っ、ちょっ…と、
陸、誰か通るから……!」
「じゃぁ誰もいないとこなら、
こんなことしてもいいの?」
「そういうことじゃない!
ていうか、先生とはそんなんじゃない…!」
はいはい、と陸は海の手を離した。
「海が熱をあげてんのは新田空、だもんな。」
「……空くんに何かしたら
たとえ陸でも許さないよ……。」
海は陸から距離を少しとり、睨みつける。
ふと、陸が悲しそうな顔をしたような
気がして、海は陸の名を口にする。
「りく……。」
キ-ンコーンカーンコーン……
しかし、その声はチャイムにより
かき消されてしまった。
陸はフッと笑い、クルッと向きを変えた。
「……冗談だよ。
さあて、授業いっくぞー!!」
「もう、待ってよ陸ー!」
陸と海は誰もいない廊下を走っていった。
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