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休日、晴れ 心、もやもや
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「快晴、だねぇ」
五月の空。
気温も徐々に上がってきて、過ごしやすくなってきた、今日この頃。
日曜だと言うのに、早く目が覚めてしまった。二度寝しようかと迷ったけど、寝れなかったし。まぁ起きるかなと起きたのが7時半。
こんなにのんびりとした朝を迎えたのは久しぶりだなぁ。自慢じゃないけど、俺朝は苦手だし何時も寝坊ギリギリに起きるからなぁ。
寝巻きのシャツのまま朝ごはん。
とーさんも母さんももう仕事に出たらしい。
…日曜だってのにご苦労様ですねぇ。
今朝のメニューは白米になめこのお味噌汁、そしてサバの焼き魚、たくわんとキュウリの漬物。…これぞ、和食。
料理なんて面倒だから、あんまりしないんだけどね。今日はたまたま。時間あったし。サバ食べたかったし?一人っ子で多忙な両親がいりゃあ、飯くらい自分で作るっきゃないでしょ。
「…暇だなぁ」
食べ終わり、少しソファーで休憩。
何しよう。今日はなんも予定ないからなぁ。
お天気いいし、出かけるかなぁ。…いや、お昼寝もイイかも。少し、早いかしら?
(時間沢山あるのって、いいかもしれない)
なんか、沢山いろんなこと出来るよね。
…久しぶりにお団子食べたいなぁ。お汁粉とかおはぎとか、あとたい焼きも食べたい。
ちらっと時計を見る。
9時半…。起きてる、かな。
*
「……で、なんの用?」
不機嫌そうなその男は、不愉快そうに尋ねてきた。
彼が一個年下のシオちゃんこと、三浦史織(みうら しおり)お隣さんで、幼馴染。
「お天気イイじゃん?出かけたくなるよねぇ。のんびりお茶でもしたくなるよねぇ?」
俺がへへっと笑うとシオちゃんは、はあーっと溜息を吐き出した。…んん?機嫌悪い?
「いきなり家に押しかけんなよ。迷惑」
がしがしと髪を掻きあげながら、睨まれる。
……シオちゃんこわい。相当機嫌悪いみたい。
「家隣じゃない。直接行った方が早いと思って…ネ」
言い訳を言う。あんまし刺激しないように、当たらず触らず。…うう。なんて俺弱っこい。
「…家に入ってろ。今着替えるから」
シオちゃんはぶっきらぼうにそう言うと、ドアを開けてくれた。!!!やった!一緒に行ってくれるのね。なんだかんだで、シオちゃん俺のワガママ付き合ってくれるんだよね。
根は優しいコなのよ。…分かってて頼んだんだけども。
「お邪魔しまーす」
シオちゃんち久しぶりかも。
相変わらず、綺麗に掃除されてるなぁ。
「リビングで座ってろよ」
シオちゃんはそう言うと、二階へと行ってしまった。…はーい、と返事を返しリビングへと入る。あれ?今日はおばさん居ないのか。
リビングのソファーにちょこんと座る。
シオちゃんちの匂い。他人の匂いがする。
…少し、落ち着かないや。
(…小さい頃はよく、お邪魔させてもらったのになぁ)
この年になると、お互い違う友達が出来て会うこともなくなるよね。シオちゃんは性格も変わっちゃって可愛げもなくなっちゃったし。…俺が大学生になって社会人になったら、もっと会わなくなるのかな。
(なんだろ、この感じ)
モヤモヤして、胸のおく、気持ち悪いや。
…なーんて。らしくないじゃない、こんなもしもの話。お天気いいのに、こんな話考えてんの、勿体無いよ。うん。
きっとなんだかんだで、シオちゃん付き合ってくれるから。今はそれでいいじゃない。
そうだよ。
何年先のことなんて、分かるワケないんだもの。
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