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三つ子とハナちゃん
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午前中、立て続けに4コマ授業があることも、国語科だと珍しくない。
そもそも、現代国語、文法、古典、3教科に分けるから授業数も増えるわけなのだが。
あと、1コマある。
昼食のカツ丼を掻き込みながら、午後の授業のノートに目を通す。
高校生にもなると、教室で生徒と一緒に給食とかとらなくてすむからいい。
小中は何をするにも目の前に生徒がいて、行儀ひとつ気を抜けない。
書類に目を通しながら昼食なんてとったら、躾のしっかりした生徒ほど嫌そうな顔をする。
でも、そんな悠長かましてたら授業が手抜きになるし。
「勤勉ですね」
「高校生に教えんのは初めてなもんで」
横から声をかけてきた冴島に雑に答える。
そっけなさにか、冴島は少し首を傾げて口元で笑った。
「ご機嫌斜めですね」
「おかげさまで!」
午後の授業に集中しなきゃならないはずなのに、頭の片隅でどうやって櫻井から逃れるか考えてる。
結局帰る場所が同じじゃ、乗り込まれれば仕舞。
でも、放課後、約束をしてしまった。
逃れる術がない。
「櫻井のせいですか」
カツ丼掻き込んでる男の耳によくまあそんな甘く囁けるなというくらいエロい声で冴島が言う。
「そんな約束反故にして、俺と飲みに行きませんか」
視線を動かした先で、悪い大人が妖艶に笑んでいた。
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